日本文学振興会は3月1日、直木三十五賞の選考委員に京極夏彦を新たに加えると発表した。

前回までの選考委員は、浅田次郎・伊集院静・角田光代・北方謙三・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき。先日の直木賞発表の後、北方謙三が選考委員を退任する旨を伝えていた。今回の発表で同賞の選考委員は9人となった。京極は7月19日の第169回から選考に参加する。

京極は北海道小樽市出身で1963年生まれ。日本推理作家協会 第十五代代表理事。2004年に『後巷説百物語』(KADOKAWA)で第130回直木賞を受賞している。

文藝春秋の創業者・菊池寛が、友人である直木三十五の名を記念し、芥川賞と同時に昭和10年に制定。公募方式ではなく、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)のなかから、最も優秀な作品に贈られる。前回は小川哲による『地図と拳』(集英社)と千早茜の『しろがねの葉』(新潮社)が同時受賞した。

正賞は懐中時計、副賞は100万円。授賞は年2回で、上半期(前年12月から5月までに発表されたもの)の選考会は7月中旬に行われ、受賞作は「オール讀物」9・10月合併号に一部掲載される。下半期(6月から11月までに発表されたもの)の選考会は翌年1月中旬に行われ、「オール讀物」3・4月合併号に一部掲載される。