『第76回日本推理作家協会賞』受賞作が5月11日に発表され、「長編および連作短編集部門」で芦沢央『夜の道標』(中央公論新社)と小川哲『君のクイズ』(朝日新聞出版)が受賞した。

 『夜の道標』は、90年代の横浜を舞台に、未解決の塾経営者の殺人事件を巡り絡み合う運命を描く長篇ミステリー。『君のクイズ』は一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解したクイズ番組の優勝者の謎を対戦相手が辿っていくエンターテインメント性あふれるミステリー。

 「短編部門」では、西澤保彦による『異分子の彼女』(Webジェイ・ノベル 2022/3/29配信)、「評論・研究部門」では日暮雅通『シャーロック・ホームズ・バイブル 永遠の名探偵をめぐる170年の物語』(早川書房)がそれぞれ受賞。

 正賞は名入り腕時計、副賞はおのおの賞金50万円。

 また、2025年度からの新設を目指す「翻訳小説部門」についても、準備を兼ねて今年から2年間賞の試行を執り行う。「翻訳小説部門試行第1回」として、ニクラス・ナット・オ・ダーグ著、ヘレンハルメ美穂訳の『1794』『1795』(小学館)が受賞作に選ばれた。