日本推理作家協会は3月13日、『第76回日本推理作家協会賞』の候補作を発表した。また、2025年度からの新設を目指す翻訳小説部門について今年から2年間賞の試行をおこなう。

【長編および連作短編集部門】には、『夜の道標』芦沢央(中央公論新社)、『最後の鑑定人』岩井圭也(KADOKAWA)、『君のクイズ』小川哲(朝日新聞出版)、『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』白井智之(新潮社)、『プリンシパル』長浦京(新潮社)の五作が選ばれた。

【長編および連作短編集部門】は喜国雅彦、今野敏、柴田哲孝、月村了衛、湊かなえの五人の選考委員によって5月11日に選考会が行われる。

【短編部門】は「ファーストが裏切った」浅倉秋成(ジャーロNo.85)、「ベッドの下でタップダンスを」鵜林伸也(東京創元社『秘境駅のクローズド・サークル』収録)、「美しさの定義」川瀬七緒(講談社『クローゼットファイル 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』収録)、「神の光」北山猛邦(紙魚の手帖vol.04)、「異分子の彼女」西澤保彦(Webジェイ・ノベル 2022/3/29配信)の五作。選考委員は北村薫、恒川光太郎、法月綸太郎、馳星周、柚月裕子の五名。

【評論・研究部門】は、『阿津川辰海 読書日記 かくしてミステリー作家は語る〈新鋭奮闘編〉』阿津川辰海(光文社)、『新本格ミステリはどのようにして生まれてきたのか? 編集者宇山日出臣追悼文集』太田克史・編(星海社)、『東宝空想特撮映画 轟く 1954-1984』小林淳(アルファベータブックス)、『シャーロック・ホームズ・バイブル 永遠の名探偵をめぐる170年の物語』日暮雅通(早川書房)。

なお2025年度からの新設を目指す翻訳小説部門についても、準備を兼ねて今年から2年間賞の試行を執り行い、ほか三部門と同日に選考会をおこなう。

【翻訳小説部門試行第1回】候補作は、『WIN』ハーラン・コーベン、田口俊樹訳(小学館)『1794』『1795』ニクラス・ナット・オ・ダーグ、ヘレンハルメ美穂訳(小学館)、『名探偵と海の悪魔』スチュアート・タートン、三角和代訳(文藝春秋)、『ポピーのためにできること』ジャニス・ハレット、山田蘭(集英社)、『彼女は水曜日に死んだ』リチャード・ラング、吉野弘人訳(東京創元社)。

【翻訳小説部門試行第1回】選考委員は、阿津川辰海、斜線堂有紀、杉江松恋、三角和代、三橋曉が務める。