8月10日発売された、「本の雑誌」(本の雑誌社)2022年9月号の書評コーナー「新刊めったくたガイド」大森望による斧田小夜『ギークに銃はいらない』書評が掲載。

本誌では、特集「本を直す!」としてサバイバル登山家の服部文祥が所有する古いお宝本をヨンネ植村愛音が修復する過程を記した「本のサバイバルに挑戦!」をはじめ、牧眞司・牧紀子によるパラフィン紙の掛け方の写真解説付き「我が家のパラフィン紙事情」など紙の本を手元に置く上で必読の内容が満載。ゲストは末井昭。五年前から続けるツイートにのせて「戦争絶対反対!!の本」を熱く綴る。また、岸本洋和が「読み物作家ガイド」で融通無碍の「最後の文士」石川淳の10冊を紹介。

「新刊めったくたガイド」では大森のほか、吉野仁、藤ふくろう、古山裕樹、高頭佐和子、すずきたけし、北上次郎による新刊書評を一挙掲載。大森は「ダントツに面白い韓国SF『極めて私的な超能力』に注目!」としてチャン・ガンミョン『極めて私的な超能力』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)を中心に小川哲『地図と拳』(集英社)や、藍銅ツバメ『鯉姫婚姻譚』(新潮社)などと共に『ギークに銃はいらない』を紹介している。

表題作について泣けるギーク青春小説の名作。と言う大森の書評をチェックして欲しい。まだ未読の方には、ぜひこの機会に斧田小夜『ギークに銃はいらない』を書店やネット注文で手に取ってもらいたい。

なお、『ギークに銃はいらない』は著者である斧田自ら表紙デザインと、使用する紙を選出したモノとしての創作にも深く関わっている。詳しくは斧田によるレポート「著者の異常な愛情 または如何にして私はTAKEOに走り、紙を選ぶに至ったか」で確認されたい。すでに手に取った読者も、こだわりの詰まった本作を長く保管する上で「本の雑誌」9月号を一読されることを勧める。