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氷室冴子青春文学賞(仮)が今秋創設へ エブリスタとの連携も

生前「コバルト文庫」の看板作家として活躍した氷室冴子を顕彰する文学賞が、今秋を目処に創設される。「青春」をテーマにした作品が大賞で、応募には人気投稿サイト「エブリスタ」が利用される予定だ。

2008年に他界した小説家・氷室冴子の名を冠する公募文学賞が、今秋を目処に創設されることがわかった。氷室の出身地である北海道岩見沢市の図書館および有志によって起ち上げられるもので、原稿の応募には人気の小説投稿サイト「エブリスタ」が利用される予定だ。作品テーマは「青春」で、現時点での仮称は「氷室冴子青春文学賞」となっている。

氷室冴子は、累計800万部のヒットとなった『なんて素敵にジャパネスク』シリーズやスタジオジブリによってアニメ化された『海がきこえる』などで知られる少女小説家だ。集英社の少女小説レーベル「コバルト文庫」の看板作家として人気を博していたが、90年代後半以降は体調不良のため執筆活動をほぼ停止、2008年に51歳の若さで病死した。

活動期間は短かったがのちの少女小説にあたえた影響は大きく、大塚英志は少女小説に少女漫画の要素をはじめて持ち込んだ作家として氷室の名を挙げている。また、『マリア様がみてる』シリーズの今野緒雪や『鏡のお城のミミ』シリーズの倉世春も、はじめて読んだコバルト文庫は氷室の作品だったと発言している。

多くの若者を魅了していても、少女小説はどうしても正史の文学史からはオミットされがちで、忘れ去られやすい。その功績をあらためて顕彰しようという動きは、「文学」の定義がますます曖昧になっている現在だからこそ意義深いのではないだろうか。その応募方法としてエブリスタが活用されるというのも、なかなかに示唆的だ。

まだ審査員や賞の内容などは検討中だそうだが、青春文学が得意なアマチュア作家はぜひ今後の動向を注視しよう。