河出書房新社が主催する文学賞「文藝賞」が、「文藝」創刊90周年記念企画として今年度限定で「短篇部門」を設置する。

短篇部門での募集は1963年の第2回文藝賞以来、59年ぶりの復活。ちなみに第2回では真継伸彦の「鮫」が受賞している。文藝賞は文芸誌『文藝』を母体とし、1962年から始まった小説の新人賞。これまで、第一回の高橋和巳をはじめ、後藤明生、田中康夫、山田詠美、長野まゆみ、星野智幸、綿矢りさ、羽田圭介、宇佐見りん、遠野遥など、文学シーンを揺るがす才能を送り出している。新潮新人賞では短編も可としている要項もあるが、独立した「短篇部門」の募集はいわゆる五大文芸誌の中では唯一のものとなる。

400字詰め原稿用紙換算20枚以上50枚以内のウェブ応募限定で、応募締め切りは12月31日。選考委員は文藝から短篇でデビューし、現代文学シーンの最前線を走る柴崎友香と、昨年の「世界幻想文学大賞」短編集部門の受賞も記憶に新しい松田青子。なお4月7日発売の文藝夏季号に詳細も掲載される。