四千五百円事件

山谷感人

エセー

1,524文字

 一部で有る、諸々の。短く

 私は本年に齢、四十八歳になる。
 これまでの人生を鑑みて大親友以外から借金した事はない。企業なる消費者ローンから借りて海外を放蕩、は有る。然し、それはビジネスだ、所謂、相手側は借財では非ず。逆に私は識らない人をも福岡に呼んで三十万円、二日で使った事は有る。全て自己責任で納得している。
 さて、コレは、そもそも論で、いずれに長く書くしかないが一部。
 アルコール依存症で七月の一ヶ月、離脱治療で入院した、エアロスミスみたいな私は、六月に手続きを踏んだ銀行カードを待っていた。入院先は田舎の山奥で有りコンビニまで歩いて一時間。そもそも外出は出来ない、脳病院だし、サナトリウムなる環境。エリッククラプトンの歌詞が如実に判った。
 退院して、そのカードをポストに確認したトコロ、無かった。識らない人もいるだろう。私は現状、俗に云う無低定額施設に住んでいる。ヒッピーだから。無低と言いながら月に六萬円は徴収されるが……。
 さて、ヒッピーながら純な私は、誰かのイタズラで終わらしたい、そもそも何処かに落ちていない等で四日間、誰にも言わなかった。我ながらピュアである。
 で有るが、無論、現実は優しくない。
 当然、発行元の銀行、郵便局に問い合わせをばしたら「親族と述べた方にサインを貰い渡しました」なる返答。銀行や郵便局に何度もテレフォンして「それはおかしい」と述べたのだが銀行も郵便局もフリーダイヤルでは非ず。これこそ不毛な金銭浪費である。
 私は現状、ナガサキに住んでいるが、このネット社会、北海道のスーパーで三百円のバナナとコーヒー牛乳を窃盗した六十代の男性が〜とニュースで伝わる時代である。此方は銀行カード紛失。昨今、銀行カードはネットで数万円で取り引き出来ると把握はしている。
 仕方がない、平和主義な私も動かぜる得ない……で、そのルンペンハウスの管理者にテレフォンをばした次第。
 管理者「へぇ~」
 私「へぇ~じゃなく困ってます、最早」
 管理者「別件があるからまた」
 ガチャリと切れたテレフォン。
 それから待てど連絡は来ず漸くスマホのバイブが振動した! と出たら「オメェ、何か騒いでいるらしいな」なるルンペン連中からのLINE。
 ヒッピーが語りたくないが常識として、ナイーヴなハナシは周囲には伏せて置くべきだ。
 それからルンペンハウス館長にテレフォンしたがスルー。
 結句、私が可愛がっていた後輩ルンペンからも「面倒だな、オ・マ・エ」と部屋に来た。お前ではなく、オ・マ・エのイントネーションである。あんなに可愛がっのに……。
 こうなれば此方も、法に駆け込み訴えするしか非ず。
 諸々な法人、弁護士にも相談をした訳だが、その費用も無料ではない。不毛な出費は未だ続いた。
 結句、役所でトークしましょう、何人かで、になりハウスのボズも動いた、コレだけ放置して問題にしたくない! の私を置いて誰がオオゴトにしたのか! である。
 何度も語るが、これは後日、起承転結で詳しく書くので結果だけ。
 役所で六人くらいと話しルンペンハウス館長が「カード紛失がなんだ? あ〜金銭か? なら貸すから出ていけ」と述べて、また後日になった彼から昨夜、届いたLINEが「そういや以前、四千五百円、貸したよね。宜しくお願いします」である。
 免許証更新料で私は「自分で払います」 館長「いや、良いから良いから」の挙げ句、である。
 カードには動かなくて四千五百円の世界観は判らない。これが所謂、世俗の常識人の思考なら、私は最早、諸々と考えるしか非ず。
 四千五百円は、敢えて最後まで返却しない。持っとけ強要でコレな為。それより借財している大親友が居る。
 カード紛失は大変に悔しいが、こうなっのは或る意味、愉快でもある。敢えて常識を破滅的に越えたら、になるが。
 また会おう。
 

2023年8月18日公開

© 2023 山谷感人

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