僕、六睦が船着場に住み着いたのは六年前である。龍神様に会いに行った母が帰ってくるまで、ここで待ち続けるのだ。 雨の中をやってきたやえと僕が交差する時、僕は母の言葉の意味を知る――激動の明治十年…
大川縁の支離滅裂な詩集です!とうとう詩は誰にともなく未知の領域に踏み込みました。ひっそりと暗がりで囁かれた言葉の集合はどんな頭痛薬よりも効目抜群です。なんだかモヤモヤして眠れない夜をより一層不可…
新潟県生まれ新潟県在住の小説家・工藤はじめによる【原発】に関する小説です。 『工藤はじめ大学』という架空の大学の入試問題を作りました。 実験小説です。 青少年向けの文学作品です…
平凡な日常を切り取り、嘲笑い、憤慨し、赦す。
虐待されて育ちながらも愛を求め、彷徨うメンへラエモ少年。クリスチャンの家庭で幸せに育ちつつも、実は同性愛者であることを隠しており苦しむ青年。二人は出会い、ドラッグと男色蔓延るマルガリータ街で停滞…
憎悪と衝動だけで生きてきた少年の逃走劇。果たしてその手に自由をつかめるのか。つかめないのか。
掌譚蒐。
私が波野發作名義でNovelJam2017に参戦し、辛うじて2タイトルをもぎ取るまでの一部始終をここに晒しておく。 戦果:優秀賞受賞「PAUSA(澤俊之)」、審査員賞(米光賞)「スパアン(米田…
ギラギラと輝くネオン。光と影。 脳内の闇。 崩壊していく心。 壊れゆく身体。 性と金。夜の世界を泳ぐ女の一部始終。
個人情報の保護が勘違いされたまま突き詰められ、他者との関わりを避けるようになった未来。他者をおそれつつも、他者と関わり合いたいぼくは、ある日不思議なメッセージを発見する―― 知りたい。 …
スィアツの首都イェナのシンボルであるイェナタワーは市街地の中心に建つ、高さ二五〇〇メートルの尖塔だ。タワーを中心に高層ビルがうずを描くように街を形成しているので、遠くから望む市街地はさながら巻き…
高校3年の夏。 あることがきっかけで鬱々とした生活をだらだらと送っていく夏美。とにかく空っぽで、ただそれを埋めてしまいたくて、夏美はほとんど活動していない映画部で同期の杉山や後輩の悠里、そして…
あるアパートでおこる少しだけ不思議なお話。
誰もが魔法を使える世界で、ただひとり魔法が使えないエルスト王子は、十五歳の夜に家族を殺され、そして国を滅ぼされた。 彼は二年後、魔法使いの少女に窮地を救われる。彼女もまたエルストと同じく家…
落ちぶれた小説家の物語。
あと数日で死を迎える「わたし」が、最後に、ささやかで充実した3日間をすごす物語。
煌く森の中。目覚める純粋無垢。見守る獣。焦がれる悪魔。少女の聖血で、赤く染まる林檎―― 萎びた村人たちに瑞々しい林檎を売り歩きながら、少女は生まれたり、死んだりする。 官能ダァクメルヒェン少…
文芸サークル「ともしび」は地道な活動を重ね、各種文学賞においてかなりの成果をあげていた。しかし超絶美女・麻紀の加入により様相は一変。荒れに荒れる人間関係、失われる童貞、飛び交う精液――「ともしび…