混詩 「霧の象徴」 2018.09.30

混詩集 (第2話)

Juan.B

1,346文字

※親愛なる「ふつーの日本人」どもへ捧ぐ

俺の肌を笑っても良い

俺の訛りをナメても良い

しかし答えよ

今は昭和十ウン年でなく平成の末なのだから

君らを頭から捉える物など一人もいないのだから

安心して曖昧にせずに答えよ

どうせ混血に君を殺す力など無いから

何を心配している

何を怖がってる

 

質問

あそこにいる老夫妻と一族はなんだ

あの一族は何であんな場所にいるんだ

あの一族とお前らの違いはなんだ

あの一族と俺の違いはなんだ

あの一族が社会のより深くにいて俺がより浅くにいるのか

あの一族に何で日本の象徴を務めさせるのだ

あの一族が俺の象徴になると言うのか

 

もっと根源を問おう

あの場所にいる両陛下は

御性交するのだろうか

黒人やインディオでもなれるのだろうか

知的障害者でもなれるのだろうか

いや君らはそれを認めるのだろうか

バスに乗るきちがいの独り言には強く舌打し

象徴となるきちがいの独り言には至極感動し

 

お前らの心の奥底のじゅくじゅくした思い

黄色い肌と東京弁の永遠を信じ切れる心理

自分だけは何物でもないと言い切れる虚構

いつまでも普通の風景が続くと思い込む目

俺は全て良く知っている

半分ではない全てを知っている

 

自由を教える憲法学教授は8条までを足早に飛ばし

都内の一等地に総画数十七の謎のバカでかい占有地

定型文とワープロの自動入力の様な発言をする夫妻

そしてそれを揶揄すれば湧き出す臨時忠良臣民一同

我々の時には誰も助けに来てくれなかったものだが

 

なぜ俺が時代の末の今時に今更それを問うか

象徴だからだ

象徴ならば何かの力学が無ければそこにいないからだ

お前らがそれを崇めるならば

お前らは同時に何かを貶めなければならない

霧の様に掴み所の無くされた力学

なぜそれがあるのか?

 

老夫妻が微笑み屈み出歩き定型文を喋り世継が生まれたり生まれなかったり

人間であるはずのその一挙手一投足に聖なる意味があるなら

人間であるはずの俺の動作の一挙手一投足に愚かな意味が持たされる

そしてお前らは依然自分が何でもないと言う顔をしている

 

ある時は霧の様にそれを捉えがたくしたり

ある時は神話の剣の様に半実体の様に振り回したり

ある時は姿かたちのあるマネキンの様にしたり

ある時は人間だと言わせたのにまた神を見付けたりする

そしてその裏で

我々は泥になり

現実の惨めさになり

姿かたちのないお化けになり

道化宣言を言わされている

そしてお前らは依然自分を問わない

 

キミがあのステキな人々を心配する必要はないじゃないか!

なるほどそう言って心配する必要のない物を心配する者を心配して警官は我々をパトカーに乗せた

心配する必要のない物を心配する者から心配する必要のない物を守るために

心配する必要のない物の周りに怯え切った警官三百人

自分に重荷を乗せる者に重荷を載せる者に重荷を載せる者に重荷を載せる者にの終端を知らぬ人々が一億

俺とお前

 

俺を馬鹿にせよ

俺を嘲笑えよ

俺の肌のRGB値を論議していろよ

俺の訛りを糺した気になれよ

俺と会って五分でなめた口を利けよ

だがまず質問に答えよ

都心の穴に何を見ている?

2018年10月1日公開

作品集『混詩集 』第2話 (全10話)

© 2018 Juan.B

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