僕の町の街灯はLEDになった
それまでの夜道は恐ろしげだった
この明るさは未来に僕の娘を守るだろう
ある夜に約束を果たした僕は
酔いながら暗い夜道を歩いた
自転車を押し
コンビニで買った
見たこともない缶ビールを携えて
ときおりポケモンの画面を眺めつつ
もっとも暗かった道にさしかかったころ
遠くから少しずつ街灯が消えていった
夜も更け その役割を終えようとしているのだ
LEDはまるでその命を終えるかのように
尾を引いて消滅する
遠くから少しずつ命が消えていく
この街灯もまた
無限ではない
もしかしたら この明かりは
未来の僕の娘を守ってくれないかもしれない
暗闇と見知らぬビールの酔いが
僕を包んでいる
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