日常。(18)

日常。(第18話)

mina

小説

1,302文字

誰かのモノだというだけで欲情するし、発情する。それはどうしようもない事で、誰かのモノであるあなたを今、自分の手で口で支配しようとしている自分にまた欲情して…

発情する

「生活が大変なの?」
「え?」
「君が働く理由だよ」
「あぁ…どうしてそんな事聞きたいの?」
「ダメかな?」
「そうね…」

またこの事を質問されてしまった。いろんな答え方をその人のタイプによって考えてあるんだけど、今日は答える事がものすごく面倒臭かった
『旦那が働かないダメなヤツなのよ』
『両親が2人とも高齢で私も働かないと生活が追いつかないの』
『同じような毎日を変えたかった』
『旦那がかまってくれないから』
『子供を養うのに大変なのよ』
『誰かにかまって欲しかったから』
『お小遣いが欲しかったんだ』
『旦那にはこんないやらしい自分をみせたくなかったの』
頭の中にある働かなければいけない理由をチョイスすることが嫌だったし、この人がどんな理由を好むかどうかなんて事、もうどうでも良かった
「…」
一応仕事なんだからちゃんとこの人にも恋愛を見せなければならないし、基本サービスもしなくちゃいけない
彼を喜ばせなければいけない

「僕はね、君に旦那がいるっていう事実にものすごく欲情しているんだ」
「…」
「君がここで働く理由を聞いているのは、君が旦那とうまくいっていればいる程…」
「?」
彼はそう言って私の顔を触った
「僕は欲情して、発情する」
私の顔を、言い表すのには難しいんだけど、強くて弱い力で触っていく。痛くはないんだけど気持ち悪かった
「僕が今、君をこうして触っていることを知らない男がいて、そしてその事にものすごく興奮する」
「…」
その気持ち悪い手は、私の顔から首、胸…汗をかいているその手は…
「君はすごく嫌な顔をするねぇ」
「…」
「いいよ、その顔…他の男に触られてる気分はどうなんだぃ?」
「…」
かなりムカつくおっさんだった
私のカラダをベタベタ触りやがって
「そういう顔をすればする程、僕は喜んでしまうよ、残念だけど」
「そういう顔って、どういう顔ですか?」
「そういう顔だよ!」
顎を強い力で握られた
「…」
「お前は結婚して、旦那がいるのに、こんなところでこんな風に俺に触られてるんだよ!解るか?お前は旦那を裏切っているんだよ!裏切ってるのに何もなかったかのように家に帰っていくんだ」
おっさんのキャラが私の
『そういう顔って、どういう顔ですか?』
というひと言で変わった
「もっと俺に媚びろ」
言葉で私を罵り始めた
「媚びて、媚びた目で俺のを舐めろ」
「…」
こういう時、私は悔しくて泣きたくなる
「…」
でも絶対泣かない
「目に意志が見える」
「?」
「生意気そうなその目を俺が解らないとでも思ってるのか?」
「…」
「私フェラチオ出来て嬉しいですっていう気持ちを見せろよ」
…思ってる事って言葉にしなくても伝わるんだなって思った
「お前の旦那より、俺の方がいいって言わせてやるよ」
そう言った後、おっさんは私を強く抱き締めディープキスをしてきた
「…」
おっさんの舌が私の口の中で動く。何だか解らないけど…私はそのディープキスでイってしまった
「…」
その事をおっさんに悟られたくなかったから私は必死に嫌な顔をしていた

                end    

2014年9月15日公開

作品集『日常。』第18話 (全70話)

© 2014 mina

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