NHK文化センター青山教室において4月3日から、俳人で評論家の毬矢まりえが講師を務める「なぜ『源氏物語』は世界で読まれたか ウェイリー訳の「再和訳」から」講座(全4回)が開催される。

 毬矢まりえは俳人、評論家。アメリカのサン・ドメニコ・スクール卒業。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業、同博士課程前期中退。『源氏物語 A・ウェイリー版』全4巻(左右社)を妹の森山恵とともに現代語に訳し戻し「ドナルド・キーン特別賞」受賞。著書に『ドナルド・キーンと俳句』(白水社)、『ひとつぶの宇宙』(本阿弥書店)、『みんなで読む源氏物語』(共著・ハヤカワ新書)、『レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」』(講談社)がある。

 今からおよそ百年前にイギリスの東洋学者アーサー・ウェイリーによる初の英語全訳『The Tale of Genji』が刊行された。「文学において時として起こる奇跡」と、イギリス文壇に旋風が巻き起こり、レディ・ムラサキと呼ばれた紫式部による「源氏物語」は「世界屈指の傑作」と認められ、ヨーロッパ中で読まれることとなった。

 彼の訳には、様々な文化と文学が重層的に織り込まれている。シェイクスピアやロマン派の詩、プルースト、当時のモダニズム文学、神話や旧約聖書。そして、「あはれ」はどう訳されたのか。高く評価されたウェイリー訳の魅力を、現代日本語へ「再和訳」した過程から探り直していく。

 今年はNHK大河ドラマ『光る君へ』の放映で『源氏物語』への関心が高まっている。古典という観点だけでなく、海外で〝レディ・ムラサキ〟はどう捉えられたのか、という観点から学ぶことでより源氏物語への理解が深まるのではないだろうか。