NHKが5月21日に、2024年の大河ドラマについて、俳優の吉高由里子主演、脚本家・大石静作で紫式部の人生を描く『光る君へ』を制作することを発表した。

 平安中期に、のちに世界最古の女性文学といわれる『源氏物語』を生み出した、紫式部/まひろを吉高が演じる。紫式部の『源氏物語』執筆に欠かせない存在である藤原道長を、柄本佑が演じる。

 大石は、1986年にテレビドラマの脚本家としてデビュー。1997年にNHK連続テレビ小説『ふたりっ子』で第15回向田邦子賞と第5回橋田賞をW受賞。2011年に『セカンドバージン』(NHK)で東京ドラマアウォード脚本賞、21年にNHK放送文化賞を受賞、さらに同年に旭日小綬章を綬章している。

 『源氏物語』は、平安時代中期に成立した日本の長編物語、小説。作者の紫式部にとって生涯で唯一の物語作品と言われる。主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会を描いた。今では広く海外でも翻訳され、女性文学としても評価が高まっている。

 過去には与謝野晶子や谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴など様々な文人によって現代語訳され、最近でも『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』(河出書房新社)で角田光代による新訳が発表された。

 また、破滅派きっての日本古典読書家である大猫も『源氏物語』を幼い時から何度も読み返しているという。合評会常勝の実力、その基礎の由来はここにあるのだろう。来年は、新たに紫式部ブームが来るかもしれない。