朝日新聞社が運営するニュースサイト「朝日新聞デジタル」に、言論サイト「Re:Ron(リロン)」がオープンした。また、同サイトの「論座」が7月に閉設することもアナウンスされた。

 「立ち止まるためのメディア」をコンセプトに、「論破」「ファスト化」「分断」などのネット世界の歪みに対し、多様な立場の人が安心して考えを発信し対話を重ね、社会的課題を問い直すことができる場を生み出すことを目的に、新たな時代の言論サイトとして育てていく。編集長には、同社文化部記者として映画やメディアの取材経験が豊富な佐藤美鈴氏が就任。

 オープニング企画として、インタビューシリーズ「ネット世界とメディア~立ち止まって考える」を展開。学識者や現場を知る当事者、次代を担うオピニオンリーダーの言葉を取り上げ、ネット時代のメディアや言論空間のあり方、課題と可能性を考える。

 連載「コロナ禍と出会い直す 磯野真穂の人類学ノート」では、人類学者の磯野独自の視点やフィールドワークを通してコロナ禍を歩きながら考えたことが語られる。

 また、永井玲衣氏(哲学者)、望月優大氏(ライター)、三牧聖子氏(国際政治学者)がアドバイザーに就き、現場を知る当事者や専門家・キーパーソンによる論考を中心に、読者が社会課題について、立ち止まってじっくり考えを深めるためのヒントとなるようなコンテンツや機能を今後充実させていく。

 なお、多様な言論の広場と位置付け2010年に「WEBRONZA(ウェブロンザ)」として開設した「論座」が4月下旬で記事の更新を停止し、7月にサイトを閉じる。