脚本家の山田太一が11月29日、老衰により亡くなった事が分かった。89歳だった。

 山田太一は、1934年東京生まれ。早稲田大学卒業後に松竹大船撮影所に入所。木下恵介監督の助監督につき、1965年には独立してフリーに。テレビドラマの脚本家として、『男たちの旅路』『岸辺のアルバム』『獅子の時代』『早春スケッチブック』『ふぞろいの林檎たち』などの話題作で多くの賞を受賞した。

 寺山修司とは早稲田大学の同窓生で、親交も深かったという。2015年には学生時代に交わした書簡や寺山の日記を収録した『寺山修司からの手紙』(岩波書店)が編著で刊行されている。

 また小説の執筆でも知られ、1988年に山本周五郎賞を受賞した『異人たちとの夏』は、英映画『All of us Strangers』として2024年春に公開予定。

 昭和、平成を代表する作品群で多大な影響を与えてきた。これからも彼の手掛けた作品が多くの後進の刺激となるだろう。