日本近代文学館では、夏目漱石の小説「こころ」に関する夏季企画展「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅳ──夏目漱石「こころ」とその時代」を9月10日まで開催している。

日本近代文学館では、教科書に長く収録されている文学作品に注目し、「教科書のなかの文学/教室のそとの文学」として、芥川龍之介の「羅生門」、中島敦の「山月記」、森鴎外の「舞姫」を扱った企画展を過去に行ってきた。昨年、第四弾として夏目漱石の「こころ」が特集されたが、好評につき、今年も新資料を追加した上で「こころ」を紹介することとなった。

明治末から大正の世相を背景とした小説「こころ」は、高校の教科書でも長らく採用され、多くの人々に読み継がれてきた。「夏目漱石「こころ」とその時代」では、「こころ」に現れる様々な印象的な場面や、作品に影響を与えた当時の世相、また反響などを紹介し、多面的に作品を紹介していく。また、漱石がみずから装丁した貴重な初版本も展示される。日本の文学を振り返るうえでも、また文学と心理について考えるうえでも重要な企画展となるだろう。

夏季企画展「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅳ──夏目漱石「こころ」とその時代」は日本近代文学館で6月25日から9月10日まで開催される。観覧料は一般300円、中高生100円。休館日は日曜日・月曜日・7/28・8/25である。詳しい情報は下記リンクを参照のこと。