日本近代文学館は、文豪・川端康成に関する特別展「没後50年・日本近代文学館開館55周年 川端康成展」を、4月2日から6月11日まで開催する。

日本を代表する文豪にしてノーベル文学賞作家でもある川端康成は、今年で没後50年を迎える。また、川端康成は55年前の日本近代文学館開館式にも参加するなど、「日本文学」そのものへの関りも深かった。冒頭文が良く知られる『雪国』、何度も映画化された『伊豆の踊子』などを始め、川端康成の作品は何かしらの形で日本人なら誰もが触れたことがあるといっても過言ではない。

特別展「没後50年・日本近代文学館開館55周年 川端康成展」では、川端康成に付きまとう「新感覚派」「ノーベル文学賞」「日本の美」といった用語から離れ、日記、作品ノート、残された数々の手紙などから、様々な人に愛された一人の人間としての川端康成を見つめ直していく。

展示は、

・第1部 若き日の体験――生い立ちと創作の原体験

・第2部 小説の実験室――掌の小説と「文藝時代」

・第3部 作品の成熟――新進作家への眼差し

・第4部 作品生成の魔術――「雪国」

・第5部 証言者の眼――「名人」

・第6部 一つの転機――「故園」「哀愁」

・第7部 戦後の社会に生きて――「山の音」「みづうみ」から「眠れる美女」へ

・葬式の名人

・書簡・書籍に見る交流

といった構成になっている。手紙や葬式での弔辞など、川端が心血を注いだ交流の証から、新たな川端康成の側面を学ぶこともできる。世界にも知られた日本の文豪を捉え直す展示となりそうだ。

特別展「没後50年・日本近代文学館開館55周年 川端康成展」は、日本近代文学館で4月2日から6月11日まで開催される。観覧料は一般300円、中学生・高校生100円。詳しい情報は下記も参照のこと。