東京都目黒区駒場に所在する日本近代文学館では、12月19日まで特別展「日本をゆさぶった翻訳―明治から現代まで」を開催中である。

日本近代文学館はコロナウイルス禍により、展示室を閉室していたが、10月3日より再開した。特別展「日本をゆさぶった翻訳―明治から現代まで」は再開後最初の展示となる。

激動の明治時代において、海外から様々な知識を輸入するに際し、まず何よりも必要とされたのは「翻訳」の力であった。元より参考にすべきものがほとんど無い中で、翻訳その物が試行錯誤され、日本に新しい風を吹き込んでいった。そして、日本が世界に知られるにつれ、今度は日本が世界にどのように翻訳されるかと言う問いにも繋がっていった。特別展「日本をゆさぶった翻訳―明治から現代まで」では、

・第1部 冒険小説の時代

・第2部 異境のしらべ

・第3部 火の洗礼—ドストエフスキー『罪と罰』

・第4部 社会思想の翻訳—関東大震災前後

・第5部 世界文学への一歩

の五部に分け、明治から現代まで、小説や詩や社会思想など様々な「翻訳」に関わる様々な業績や資料を紹介していく。コロナウイルスで世界の交流が閉ざされている今こそ、改めて注目したい展示会である。

なお、同時開催として、併設の川端康成記念室で「川端康成の新聞小説」展も開催されている。世界に知られる日本の文豪の一面を垣間見れる展示となりそうだ。

特別展「日本をゆさぶった翻訳―明治から現代まで」は、日本近代文学館展示室にて12月19日まで開催されている。観覧料は一般300円、中学生・高校生100円。詳しい情報は下記サイトも参照のこと。