高橋文樹の小説「光ってみえる白」が、カメイトシヤ氏の翻訳によりアメリカのオンライン文芸誌「Green Hills Literary Lantern」に掲載されたことが分かった。

作品の翻訳は、有志のカメイトシヤ氏が担当しており、英題は「Shining White」となっている。原作小説「光ってみえる白」は、破滅派の2016年10月度合評会で、「去年まで女子校だった高校に一人だけ男子が入学した」/「去年まで男子校だった高校に一人だけ女子が入学した」をお題に制作された作品である。

光ってみえる白

高橋文樹高橋文樹

私には霊感がある。長らく養護教諭をしているのだけれども、この学校には生徒たちの集合意思のようなものがあって、生徒たちが廊下に三人も集まると、彼女たちの集合意思が薄い紗のような膜として見える。攻撃するときは赤。嫉妬すると黒 […]

Green Hills Literary Lantern(GHLL)は、アメリカのミズーリ州に所在するトルーマン州立大学で発行されている文芸雑誌である。1990年にジャック・スミスにより創刊され、大学刊行の文芸誌の中でも、高い評価を得ている。2005年には大学文芸誌としてはかなり早い時期にオンライン誌への完全移行を果たし、その年のBest of the Web賞を受賞した。GHLLは世間にあまり知られていない作品や出版物の紹介にも重点を置いており、編集委員のアダム・ブルック・デイビスは好む作品として「30年前に読んだ覚えのある話。そう言う作品を見つけ出して紹介していきたい」と語っている。

高橋文樹の今後の更なる活躍と、同じく破滅派同人の飛躍を期待したい。