2017年4月に人気を集めた「はめにゅー」の記事をおさらいする「月刊はめにゅー」。忙しくて毎日はチェックできないという人も、この機会に話題の文学ニュースをまとめて確認しておこう。

新着ニュース部門

まずは4月1日(水)~4月30日に更新された新着ニュース部門から見ていきたい。

第10位~第4位

第10位: 創業110周年のフレーベル館 児童文学の公募新人賞を創設(4/5)
第9位: 本人登壇!「翻訳家」としての村上春樹がトークイベント開催 申込み受付中(4/5)
第8位: 文芸の世界で女子高生が無双する、柳本光晴『響~小説家になる方法~』が「マンガ大賞2017」を受賞(4/1)
第7位: 市民が誘致した留萌ブックセンター 15日(土)のNHK『にっぽん紀行』で特集(4/13)
第5位タイ: 第60回群像新人文学賞が発表 21世紀初の当選作なし(4/21)
第5位タイ: 発禁本コレクター、城市郎の文庫目録が刊行(4/12)
第4位: ノーベル賞作家の見たフクシマ Eテレ『こころの時代』にS・アレクシエーヴィチが登場(4/8)

いつものようにイベント情報や文学賞の情報が並んだが、今月はNHKの番組についてのニュースが2件もランクインしている。民放が取り上げないような文学トピックも積極的に取り上げてくれるのはNHKならではといえるだろう。4位の『こころの時代』は筆者も視聴したが、原発問題に関して政府批判ともとられかねない部分にまで臆することなく言及していた点からは、公共放送としての矜持を感じさせてくれた。

第3位

氷室冴子青春文学賞(仮)が今秋創設へ エブリスタとの連携も(4/8)

3位は、はめにゅー編集部の予想を遥かに上回る関心をあつめたこちらのニュースだった。少女小説というと通過儀礼的な側面もあるため、どうしても大人になってからは言及される機会が減るが、思春期に熱心に読んでいた元読者がいかに大勢いるかということをあらためて教えられた形だ。続報があった際にはぜひはめにゅーでお伝えしたい。

第2位

『宮廷装束の世界』展 学習院大学で開催中(4/23)

2位にランクインしたのは、現在もまだ開催中のイベント情報だ。皇室関連の企画展を学習院大学が開催するとなれば、否が応でも展示内容に期待はあつまる。筆者も足を運んだが、けっして広いとはいえない展示スペース内を十二分に満喫することができた。日本の衣類史を学びたい人にもおすすめしたい。

第1位

“三島の愛人” 福島次郎の幻のデビュー作『現車』が完全版に (4/26)

4月の新着ニュース第1位は、福島次郎の幻のデビュー作『現車』についての記事だった。同作は原稿用紙2000枚オーバーという大長篇であるため、1961年に前篇が出版されたあと後篇がなかなか書籍化されず、このたび半世紀以上の時を越えてようやく完全版が出版されたのだ。ゴシップ的な話題が先行しがちな作家ではあるが、この機にあらためて小説家・福島次郎を読み直してみようという読者が多かったようだ。

既報ニュース部門

つづいて、3月までにアップされたニュースのなかで4月にアクセスの多かった記事もチェックしておこう。こちらは上位5本を一気に見ていく。

第5位: 無断で書かれた筒井康隆作品の続編『ビアンカ・オーバーステップ』が刊行(3/23)
第4位: 日本SF新人賞作家天野邊が警察より脅迫を受ける 4日、昼過ぎ(16/10/7)
第3位: 「ハヤシライスの日」に丸善ジュンク堂書店がレトルトハヤシを新発売(16/9/9)
第2位:宝島社、「まくら」付き書籍を発売(16/12/3)
第1位: 「吉村昭記念文学館」が開館 東京都荒川区(3/31)

2~4位には昨年から引き続き人気のニュースが並んでいるが、1位は新顔だ。実は1ヶ月間で最もアクセス数が多かったのは、新着ニュース部門のどの記事でもなく、こちらの吉村昭記念文学館に関するニュースだった。オープンから日の浅い文学館ということで、まだまだ関心は大きいようである。
果たして5月はどのような文学ニュースが注目を浴びるのだろうか。