2017年2月に人気を集めた「はめにゅー」の記事をおさらいする「月刊はめにゅー」。忙しくて毎日はチェックできないという人も、この機会に話題の文学ニュースをまとめて確認しておこう。

新着ニュース部門

まずは2月1日(水)~2月28日(火)に更新された新着ニュース部門から見ていきたい。

第10位~第4位

第10位: NewtonのKindle版150円セールは2/28まで! (2/27)
第8位同: 引退間近・橋本奈々未の『恋する文学』完結編BD/DVDがついに発売 (2/17)
第8位同: 主演・清水富美加、原作・秋吉理香子の映画「暗黒女子」予定通り4月1日公開。  (2/22)
第7位:  ユリイカ4月臨時増刊号は「縄文」を特集 3月13日発売 (2/15)
第6位:  目次だけで見る文芸誌2017年3月号 (2/13)
第5位:  織田作之助の『競馬』と交錯した、森山大道写真展「Odasaku」が2月15日より開催。 (2/6)
第4位:  三省堂書店神保町本店で「誰よりも早く村上春樹さんの新刊を本屋で徹夜して読む会」を開催 (2/15)

縄文からNewtonまで幅広い分野のニュースが並んだ。また、はめにゅーとしては珍しく芸能関係のニュースも複数(8位タイに2つ)ランクインしている。そんな中でも注目は、織田作之助についての記事が高い注目を集めたことだろう。破滅派において九芽英氏が書いた「Natural Born Fairies ~織田作之助について」にも多くのアクセスが集まっており、静かなオダサクブームが起こっているようである。このブームの原因と思われる「文豪とアルケミスト」関連のニュースも今後登場するかもしれない。

第3位

村上春樹の新作小説「騎士団長殺し」発売カウントダウンイベント 紀伊国屋書店本店で開催 (2/7)

名実ともに国民的作家である村上春樹の新作ということで、全国各地の書店はさまざまなイベントを行ったようだ。読書家にとっては好き嫌いの分かれる作家でもあるが、確実に売上が見込める商品というものはどの業界でも稀少になっており、出版業界や書店を支え盛り上げるという意味では、村上春樹関連のイベントには少なからぬ意味があるだろう。もし何らかのイベントに参加した読者がいるなら、ぜひレポートをお寄せいただきたい。

第2位

日本支配下で獄死した朝鮮人詩人・尹東柱の生誕100周年 日本各地でイベント開催 (2/9)

韓国では知らぬ者のいない詩人・尹東柱の生誕100年イベントについての記事も人気だった。代表作である「序詩」は翻訳文が日本の教科書に掲載されていることもあるので、詩についてのリテラシーが乏しい傾向にある日本でも比較的知られている詩人といえるのではないだろうか。生誕100周年イベントが催されるのは、留学していた立教大学および同志社大学、そして獄死した福岡だ。半生を描いた映画「ドンジュ」も昨年公開(日本公開未定)されており、メモリアルイヤーにますます注目を集めそうだ。

第1位

戦前の「検閲官」の横顔に迫る資料展 千代田区図書館で開催中 (2/3)

政治色の強いニュースが1&2フィニッシュだ。先月最も注目を浴びたニュースは、検閲に関する企画展の記事だった。もっとも、「検閲」というと検閲された側の立場からの発言を想像しがちだが、この展示は検閲官の側に寄り添ったものとなっている点が興味深い。彼らはあくまで職務を全うしていただけであり、表現の自由を脅かす悪魔などでは断じてないのだ。個人としての検閲官の横顔に迫るという試みはなかなかエキサイティングといえるだろう。こちらはまだ開催中なので興味のある方はぜひ急がれたい。

既報ニュース部門

つづいて、1月までにアップされたニュースのなかで2月にアクセスの多かった記事もチェックしておこう。こちらは上位5本を一気に見ていく。

 
第5位:「ハヤシライスの日」に丸善ジュンク堂書店がレトルトハヤシを新発売(9/9)
第4位: 日本SF新人賞作家天野邊が警察より脅迫を受ける 4日、昼過ぎ (10/7)
第3位: 各都道府県立図書館のTwitter運用状況を調べてみた  (11/9)
第2位: 宝島社、「まくら」付き書籍を発売 (12/3)
第1位: 第40回すばる文学賞が決定 春見朔子氏「そういう生き物」が受賞(9/7)

 

端的いって代わり映えのしないラインナップとなった。順位が変わっただけで、トップ5の顔ぶれは先月とまったく同じだ。それだけこの5本のトピックが多くの人から興味を持たれているということなのだろう。そろそろジュンク堂のハヤシライスを食べてレポートを上げてみようかと個人的には思っている。宝島社のまくらの使い心地レポートもお待ちしている。

果たして3月はどのような文学ニュースが注目を浴びるのだろうか。