2017年3月に人気を集めた「はめにゅー」の記事をおさらいする「月刊はめにゅー」。忙しくて毎日はチェックできないという人も、この機会に話題の文学ニュースをまとめて確認しておこう。

新着ニュース部門

まずは3月1日(水)~3月31日(金)に更新された新着ニュース部門から見ていきたい。

第10位~第4位

第10位:【混血混沌レポ】「文庫X」とは何だったのか 盛岡駅さわや書店を訪れる (3/12)
第9位: 目次だけで見る文芸誌2017年4月号 (3/7)
第8位: 日本雑誌協会・日本書籍出版協会が「共謀罪」に抗議声明 (3/25)
第7位: イベント盛りだくさんの「本のフェス」が3月12日(日)開催! (3/8)
第6位: 「デビュー50周年記念展 池田理代子―『ベルばら』とともに―」3月8日から日本橋高島屋にて開催中 (3/9)
第5位: チェコ国外では史上初!ミュシャの超大作「スラブ叙事詩」が全てそろった展覧会が国立新美術館で開催 (3/10)
第4位: あの未公開テープが今夜蘇る 『三島由紀夫を聴く』がTBSラジオで放送 (3/1)

イベントやメディア関連の告知が多く並んだ。それ以外の記事についても旬の話題が多く、例月以上にニュースサイトらしいアクセスランキングとなっているのではないだろうか。

第3位

無断で書かれた筒井康隆作品の続編『ビアンカ・オーバーステップ』が刊行 (3/23) 

大物作家の公式二次創作ともいうべき斬新な作品の刊行情報が2位にランクインした。インターネットの普及により二次創作文化はますます加速度的に裾野を広げたといえるが、今回のニュースはそのひとつの到達点といえよう。つい先日には、内田康夫が休筆宣言をした上で作品の続編を公募するという動きもあったし、マンガの世界でもちばあきおの名作「キャプテン」の続編が別作家によって手がけられる旨が発表されている。今後このような公式続編は流行していくのかもしれない。

第2位

【純血純粋レポ】「本のフェス 2017」に行ってみた。(3/13)

今月の2位は、7位にランクインした「本のフェス2017」のレポートだった。読書好きにとっては有名なイベントだが、実際に足を運んだことはないという人も多いのではないだろうか。ユーモアと余談に彩られた九芽英によるこちらのレポートは、現場の雰囲気を体感するにはうってつけだろう。この記事を読んで長崎角煮バーガーを食べたくならない人がいるだろうか、いや、いまい。行かなかったことを後悔したくない人は、読まないでおこう。

第1位

道尾秀介が「空耳アワー」で耳かきゲット (3/18)

3月の第1位は、まさかまさかのテレビ番組についてのニュースだった。読書家や文学ファンは心の奥底で(あるいは目に見える形ではっきりと)テレビというメディアを見下している人が少なくない印象だが、ことタモリ倶楽部に関しては別格らしい。かくいう筆者もここ15年ほどは1週たりとも見逃していない。ましてや、言葉遊びそのものである「空耳アワー」だ。実績ある小説家による投稿が採用されたというケースは、筆者の知るかぎりはじめてだ。作家には音楽好きも多いのだから、今後も道尾に続く作家の登場に期待したい。

 

既報ニュース部門

つづいて、2月までにアップされたニュースのなかで3月にアクセスの多かった記事もチェックしておこう。こちらは上位5本を一気に見ていく。

第5位: 第47回埼玉文学賞 4部門の受賞者が決定 (16/10/27 )
第4位: 「ブックショートアワード」原稿募集中。大賞にはフィルム化と賞金 (16/8/16)
第3位:  織田作之助の『競馬』と交錯した、森山大道写真展「Odasaku」が2月15日より開催。 (2/6)
第2位:「ハヤシライスの日」に丸善ジュンク堂書店がレトルトハヤシを新発売(16/9/9)
第1位: 2016年ブッカー賞をポール・ビーティー氏が受賞 (16/10/26)

ここ数か月は変わり映えのしないランキングだったが、3月はめずらしく動きがあった。特筆すべきは、過去さほど注目を浴びていたとはいえないポール・ビーティーについてのニュースが急に多くのアクセスを集めたことだ。氏についての話題が最近あったわけでもないはずなのだが、いったいどういう事情なのだろうか。実に不思議である。

果たして4月はどのような文学ニュースが注目を浴びるのだろうか。