「本のフェス」とは、新しい本の楽しみ方を実践するイベントで、本の世界の野外フェスを目指し昨年から開催されているイベントである。本の雑誌執筆陣や古書店、出版社が本を並べる、「本のフェス」名物「本の雑誌商店街」や、「かもめブックス」柳下恭平氏プロデュースの妖しげなスナック「スナック乱丁」、石田衣良ワークショップ「思いつき」からはじめる小説の書き方、水道橋博士による次世代読書芸人トークライブ、その他にも野外音楽LIVEや屋台など、書ききれないほど内容盛りだくさんのイベントが予定されている。また、「本の移動販売 駅弁本屋」として、売る側での参加できるので、詳しくはホームページをご覧あれ。

 

さて、個人的に注目したいイベントはやはり「映画『暗黒女子』トークライブ&ビブリオバトル」である。主演の飯豊まりえ、監督の耶雲哉治、原作者の秋吉理香子を迎えて、映画『暗黒女子』の魅力や撮影秘話を公開するということなので、映画公開を直前に控えた注目のイベントになるだろう。気になる「あの話」は恐らく聞けないのだろうが……。

 

また「イヤミス」界の寵児、原作者の秋吉理香子による「小説ができるまで」をテーマにしたトークショーも開催される。あのような重厚なトリックをどのように作り上げているのか。原作ファンは必聴だ。さらには原作小説を題材にしたビブリオバトルに、お笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」のボケ担当、平井ファラオ光が参戦する。これはまたいったいどうなるのだろうか。無言のまま時間切れになることも十分想定できる。大変興味深いイベントになるだろう。申込制なので急げ!……と思ったら既に応募締め切りであった。残念!

 

出版不況と言われる中で、このようなイベントが開催されるのは、とても良い傾向だ。出版業界は現状にあぐらをかいていては、やがて破滅する。本との新しい出会い方、関わり方を模索するべきなのである。「破滅派10周年パーティー はめぱ」も、そのようなきっかけの一つになるかもしれない。