3月17日深夜(18日未明)に放送された『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)の人気コーナー「空耳アワー」で、直木賞作家・道尾秀介の投稿作品が採用された。昨年3月に続き2度目の採用となった今回はメタリカ「Halo On Fire」への空耳で、タモリによる評価は4段階中下から2番目である耳かきだった。

「空耳アワー」といえば、まるで日本語のように聞こえる洋楽をユニークな映像とともに紹介するコーナーとしてお馴染みだ。

現在では『タモリ倶楽部』の代名詞的存在となっているミニコーナーだが、番組の初期から存在していたわけではない。初期のミニコーナーは数か月から1年程度で変更されるのが恒例で、「空耳アワー」は番組開始10年目の1992年になってからようやくスタートしている(歴代21代目)。このコーナーだけが四半世紀も続いているのは、わかりやすさと馬鹿馬鹿しさと知性とのバランスが絶妙だったのが要因ではないだろうか。

通常は一般視聴者による投稿で成り立っているコーナーだが、芸能界にも空耳ファンは多く、過去にはミュージシャンやお笑い芸人の投稿が採用されたことも数多くあった。しかし、大きな文学賞をいくつも受賞している作家による作品が採用されたケースは道尾がはじめてだろう。さすが言葉を操るプロの面目躍如といったところか。

ちなみに、今回の元ネタとなった楽曲はこちらである。

まだ未放送の地域も多いのでネタの詳細を記すことは控えるが、今回のネタが小説家ならではの知性やひらめきを感じさせるものであったかどうかは、視聴者各人の判断に任せたい。