課題図書の表紙だが、紙書籍の帯だと、「すべてを覆す大どんでん返し!」の文字が目についてしまう。
「観測者の殺人」というタイトル。
そして、課題部分の最終行「「本サービスは著作権法上の問題によりサポートを終了いたしました。詳細はこちらのリンクからご確認ください」の記載。
これらからすると、課題部分までは、作中の現実を追ったものではなく、作中作であるところのインタラクティブムービーであって、視聴者(=観測者)の選択や反応によって今後の展開(殺人という結果)が決まっていたのではなかろうか。
いわば「読者が犯人」の最新テクノロジー版である。
課題部分以降、「事件の真相」が明らかになるが、それは視聴者の選択の結果による展開のあやであって、最後にはその選択の過激さ?欺瞞?が明らかになるはずである。大勢の無責任な視聴者によって、この陰惨な連続殺人事件は起きていたといえるのである。
こうした乱暴な推理をしたのは、どうも読んでいて今ひとつかみ合わない感触を受けたせいだ。
・ぶつ切りすぎる構成(視点を小まめに変えること自体はよくあるが)。
・「鬼界」の設定のブレ? 人間を操るのか、単にSNSを牛耳っているのか
・「鬼界」の人物と「一真」の相似。右手に目立つ傷? 華奢な体 かといって同一人物とするには弱い感じ
・別事件の関係者が割と簡単につながってしまう。こっちの人物が実はあっちの人物と同一人というのが多い
こうした粗(?)は練り込まれた構成があったわけでなく、視聴者の反応・選択によってなかば強引に展開が動いていった痕跡なのではなかろうか。
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