どんでん返しと言えば

名探偵破滅派『観測者の殺人』応募作品

乙野二郎

エセー

656文字

名探偵破滅派の課題図書『観測者の殺人』の推理です。これまでで一番雑な推理になったかも。

課題図書の表紙だが、紙書籍の帯だと、「すべてを覆す大どんでん返し!」の文字が目についてしまう。

「観測者の殺人」というタイトル。

そして、課題部分の最終行「「本サービスは著作権法上の問題によりサポートを終了いたしました。詳細はこちらのリンクからご確認ください」の記載。

これらからすると、課題部分までは、作中の現実を追ったものではなく、作中作であるところのインタラクティブムービーであって、視聴者(=観測者)の選択や反応によって今後の展開(殺人という結果)が決まっていたのではなかろうか。

いわば「読者が犯人」の最新テクノロジー版である。

課題部分以降、「事件の真相」が明らかになるが、それは視聴者の選択の結果による展開のあやであって、最後にはその選択の過激さ?欺瞞?が明らかになるはずである。大勢の無責任な視聴者によって、この陰惨な連続殺人事件は起きていたといえるのである。

こうした乱暴な推理をしたのは、どうも読んでいて今ひとつかみ合わない感触を受けたせいだ。

・ぶつ切りすぎる構成(視点を小まめに変えること自体はよくあるが)。

・「鬼界」の設定のブレ? 人間を操るのか、単にSNSを牛耳っているのか
・「鬼界」の人物と「一真」の相似。右手に目立つ傷? 華奢な体 かといって同一人物とするには弱い感じ
・別事件の関係者が割と簡単につながってしまう。こっちの人物が実はあっちの人物と同一人というのが多い

こうした粗(?)は練り込まれた構成があったわけでなく、視聴者の反応・選択によってなかば強引に展開が動いていった痕跡なのではなかろうか。

2024年3月22日公開

© 2024 乙野二郎

これはの応募作品です。
他の作品ともどもレビューお願いします。

この作品のタグ

著者

この作者の他の作品

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

"どんでん返しと言えば"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る