人間の生き方について

世界の存在と人間について(第5話)

山雪翔太

エセー

509文字

白鳥類は、人間は一人の力で生きているのではないと語る。

人間の生き方について

 時折、人間という物は自分の力一つで生きていると誤解する事がある。だがそれは間違いだ。

 例えば、私達が朝起きる。その布団は、恐らく中国か何処かの人達が働いて作った物だ。食パンだって、そのパン工場の職員達が汗水垂らして作った物。全てを自分一人でこなす事など不可能だ。

 では何故人間はこうなったのか? 理由はシンプルだ。……生きる為にそれぞれが協力をした方が、生存する確率が上がるからだ。

 どうしても人間には得意不得意がある。狩りは苦手だが、物作りは得意。……なら、狩りが得意で物作りが苦手な者と協力すれば、どちらも得を出来る。そうして協力するという概念が生まれたのだ。

 だが今はどうだろう? あたかも自分一人で生きていると錯覚し、横柄に店員にちょっとした事で文句を垂れ流す。

 これは愚の骨頂だ。……人間としての本質を理解していない。

 今こそ、人間は思い出すべきだ。……この生活が、果たして何人の人間のお陰で成り立っているのかを。

 人間は迷惑な存在だ。……だがその迷惑さを、他人に補ってもらっている。……その代わりに、働く事で他人の迷惑さを補うのだ。

 人間はそうやって生きている。……彼らはそれをもう一度思い出す必要がある。

2023年6月3日公開

作品集『世界の存在と人間について』第5話 (全6話)

© 2023 山雪翔太

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