破滅派検閲こぼれ話

破滅派18号「検閲」応募作品

高橋文樹

エセー

1,813文字

東京オリンピック二〇二〇のロゴ剽窃事件を覚えているだろうか。そう、あの華々しい経歴を持つデザイナーの佐野研二郎氏がデザインしたロゴが、ベルギーにある劇場のロゴをパクっていたのではないか、というスキャンダルである。結果としてロゴは採用を撤回され、野老朝雄の手になる市松模様のロゴが採用された。

さて、破滅派は二〇一九年十一月、来る東京オリンピックの開幕に向けて特集を「東京オリンピック新種目」に決定した。これから起きるイベントをちょっと先取りしたら話題になるのではないか、という打算を働かせたわけだ。フリースタイル自殺(藤城孝輔)、大相撲(大猫)、4×200メートルモッコリレー(佐川恭一)、ドーピング(牧野楠葉)など、個性的な新競技を題材にした創作集として優れたパロディの企画になった。私はウンコ水の威力を確かめるためにお台場の海に入り、警備員に怒られるという得難い経験をした。もちろん、その頃は新型コロナウィルスの蔓延など予測できるはずもなく、東京オリンピックがまさか翌々年に延期されるなどとは夢にも思っていなかった。

で、だ。この雑誌の表紙には、その頃すでに不採用が決まっていた佐野氏によるロゴを採用することにした。なんといってもパクった疑惑のあるロゴである。このロゴをさらにパクったからといって、訴えられるリスクは低いだろう。訴えられたら訴えられたでちょっと面白いし、ネタとして消費すればよい、そう考えていた。

この作品の続きは外部にて読むことができます。

2022年11月12日公開

© 2022 高橋文樹

これはの応募作品です。
他の作品ともどもレビューお願いします。

この作品のタグ

著者

この作者の他の作品

この作者の人気作

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

"破滅派検閲こぼれ話"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る