7月19日、日本で最も有名な文学賞である、第169回芥川龍之介賞・直木三十五賞の選考会が行われ、受賞作が発表された。

芥川賞の選考委員は小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一。

直木賞の選考委員は浅田次郎・伊集院静・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・高村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき。

芥川賞 市川沙央『ハンチバック』

今回、芥川賞を受賞したのは、市川沙央『ハンチバック』(「文學界」5月号)。初のノミネートでの受賞となった。

『ハンチバック』は、自らも重度障害者の市川が自身の経験や思いなどを交えながら、先天性の難病で重度障害者の女性を主人公としてその生活の生の思いを描いた小説である。タイトルのハンチバックには「せむし」という意味がある。

なお、『ハンチバック』が掲載された文學界5月号には、大木芙沙子の『うなぎ』も掲載されている。

【快挙!】4月7日発売の『文學界』5月号に、大木芙沙子「うなぎ」が掲載

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4月7日発売の文芸誌『文學界』2023年5月号に、大木芙沙子「うなぎ」が掲載される。

また、この小説にはWordPressが登場し、そのことについて高橋文樹が反応している。

直木賞 垣根涼介『極楽征夷大将軍』、永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』

直木賞は二人が受賞した。

今回、直木賞を受賞したのは、垣根涼介『極楽征夷大将軍』(文藝春秋)と、永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社)。垣根は三度目、永井は二度目の候補での受賞となった。

垣根涼介『極楽征夷大将軍』は、室町幕府の初代将軍であり毀誉褒貶ある足利尊氏の生涯を扱い、やる気のない尊氏がなぜ天下を取ったのかを描く時代小説。

永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』は、江戸時代を舞台に、ある仇討ち事件の真相を、様々な登場人物の複合的な視点で追っていく歴史小説である。