詩集(第3話)

松尾模糊

348文字

画像:葛飾北斎『獏』

最近は夢を覚えていることが少なくなってきています。
このまま夢を失うのかと思うと、恐ろしくもあるので書いときます。

僕はときどき夢を見る

 

ある時は魚に ある時は鳥になって

 

青く輝く海や空を自由自在に 泳いだり飛んだりする

 

それは俗にいう 良い夢と言うやつだ

 

夢は都合のいいもののはずだが もちろん悪夢だって見る

 

悪夢の時は決まって僕は人間の姿だ

 

だから当然飛ぶことも スイスイ泳ぐことも叶わない

 

そういう時に限って 僕は何者かに追われている

 

とても逃げ切れなくて 僕だけじゃなくて

 

家族や友人や好きな人が囚われて殺される

 

とても恐ろしい夢だ 万に一つも助からないし

 

助けることもできない 僕はこれが夢であることを願う

 

助かる方法はただ一つ すぐに目を覚まして

 

この世界が夢であることを理解する それだけだ

2019年8月3日公開

作品集『詩集』第3話 (全6話)

© 2019 松尾模糊

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