回文短歌三首

大猫

481文字

回文とは逆さ言葉のことです。上から読んでも下から読んでも同じです。回文で短歌を作りました。いずれも世の無常を嘆き、短い人生を楽しもうという格調高い作品です(ウソ)こんなものをこしらえるとは、世の中にはヒマな人もいるものだと思ってお楽しみください。

その1

よき謡 酒の友にと 今宵酔い 夜毎に元の 今朝いた浮世

よきうたいさけのともにとこよいよいよことにもとのけさいたうきよ

【鑑賞の手引】

良き謡を友として今夜は大いに飲もう。
しかし今夜が過ぎれば今朝と同じ浮世がまたやってくる…

 

 

その2

君と待つ 清の若草 仮の世の 梨花咲く川の 佳き妻と見き

きみとまつ きよのわかくさ かりのよの りかさくかわの よきつまとみき

【鑑賞の手引】

あなたと共に、清い若草が萌え出ずるのを待つ。
この世の中は仮の世、儚いものではあるが、梨の花が咲くこの川辺にやがて萌え出ずるであろう春の若草のように、あなたは私のよき妻になってくれると思う。

 

 

その3

世の中は 波ふと遠のき 淡き際 秋の音問ふ 皆儚なの世

よのなかはなみふととおのきあはききはあきのおととふみなはかなのよ

【鑑賞の手引き】

この世というのは、寄せる波がふと遠ざかり、見る見るうちに波際が淡く見えなくなってしまうようなもの。
消えゆく波は秋の音を問うているようだ。何もかも儚い世の中だ。

 

2018年4月27日公開

© 2018 大猫

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