蕎麦地獄

児島啓祐

小説

7,618文字

蕎麦つゆの中で踊る黒い妄想。かつての知人が告げたのは恐ろしい家族の過去だった。若き俊英が送る傑作短編。

台所に座り、お椀に溜められたそばつゆを眺めていると、なみなみと満たされた漆黒の湖面から、一人の男が浮かんできた。鬱陶しい顔だった。頬には深く傷が刻まれ、その物憂げな眼差しは、実害こそないが折角の昼食の時間に水を差し、俺の心に不快感を植えつけてくる。

消えろ。

俺は割られていない割り脚で、椀をひっかくようにつゆに見えない弧を描く。しかしどれだけ激しく丁寧にかき回しても、彼は消えなかった。いや、消したいのは顔ではなくてその傷だ。刻まれた刻印は俺の汚点であり全ての元凶であり、消し去りたい過去の象徴でもあった。消したい、消したい、頼む消えてくれ。俺は力任せにお椀に大渦を作り続け、それでも駄目とわかると今度は狂った破壊衝動を求め出した。俺は一番傷だらけの引き出しを選び、それを開ける。いつもそうだ。この持続を止めるためだけに開ける。開かれた引き出しの入り口からはそばつゆがあふれ出てくる。この圧迫感を感じる台所という空間を埋め尽くすために。凄まじい奔流を眺めながらじっと時の過ぎ去るのを待ち続ける。重く深い沈黙を、エゴが大量に練り込まれた液体が呼び覚ましてくれる。この場に奴らを留める自己は存在しない。やがてそばつゆは冷蔵庫を足元から闇色に同化させていく。家族が座った木造の椅子も幸せな朝食が並んでいたテーブルも、つゆの異様な臭気を放ちながら思い出と共に腐敗していく。俺は家族の悲鳴を想像する。想像しながら目の前に現れたそばをゆでる。ゆで始めた頃にはそばつゆはもう膝の高さくらいまで溜まっている。そろそろ幼い妹が溺れると連想する。まだ言葉も満足に話せないのに大きな叫びは聞こえてくる。なぜ無意味な援助を求めるのだろう。くだらない思考ではあったが、人間は無意味かそうでないかを判断することすらできなくなった場合には、とりあえず「叫ぶ」生き物なのだろうという結論に辿り着く。勿論何を考えようがそばつゆは溜まるし、そばはゆで続けられる。水面が腰の高さまで上昇してくるとそばの声が聞こえてきた。そばが俺を白い湯気の中で求めているのだ。すぐにそばを湯の中から引き上げ定番のざるに載せる。載せられたそばは歌を歌っている。幸福に満ちた滅びの歌だ。そばは歌を通して俺に命令する。恐怖ですくんで動けない父親と母親の顔へ平等に熱湯をぶちまけろ、俺はそばの命令には従順に行動する。熱湯の入ったスチール製の大鍋を素手で抱え、全身の震えとそばつゆの圧力で動けなくなった両親に静かに歩み寄る。そして感覚のなくなりかけた両手で力いっぱい熱湯を空間上に放り投げる。時間の流れが遅くなる。だがどんなに遅くなろうと熱湯は両親に襲い掛かるのだ。俺が次の瞬間に感じ取った音は大鍋がそばつゆに落下したときに生じた小さな音だけだった。ポチャン。そばはよくやったと言ってるようにも見える。

そこで妄想は終結する。

食べてやる。俺の中でなぜかそんな衝動が生まれた。だがこれは食欲ではないだろう。ならば何か。俺はすぐに答えを見つける。それは支配欲であり、自己顕示欲だ。食べ物にそんな欲を抱く自分を俺は心から敬愛する。俺とそばの対話が始まる。この聖域は俺とそば以外を許しはしない。新しい割り箸の音色が狂宴の始まりを象徴している。

「いただきます」

しかし俺はそばつゆに飲み込まれる。視界からそばは失われる。俺はそばと共に失われる……。

またいつものベッドの上だ。全身から汗の臭気と重圧を感じる。股間の部分が膨れ上がっている。どうして興奮しているのか分からないが鎮めないわけにはいかない。どうしてあんな夢を見るのだろう。途方も無い答えを探しながら俺はいつものようにマスターベーションをする。射精する瞬間、日常性に薄められた快感と嫌悪感に浸りながらペニスにティッシュを被せる。ペニスだけではない。また今日も何かを被せる一日が始まる。パジャマのボタンが重い。朝特有の倦怠感から脱出するためにベッドから立ち上がる。今日も俺は顔の失われた人々に飲み込まれるのだろう。そして何を得るでもない無意識に彩られた社会の一部として、破滅に満ちた刃が飛び交う世界の中に身を投じるしかないのだ。

家族のいない俺は都内の小さなアパートで一人暮らしをしている。正確に言えば同居人がもう一人いるのだが、彼女とは活動している時間帯が基本的に違うので顔が合うことはほとんどない。月に一度申し訳程度に外でいっしょに食事をするくらいだ。今日は丁度その日であるため、早めに仕事を切り上げる。大卒後、新聞社に入社してまだ二年ほどであるが、個性を殺し業務的に仕事をこなす俺は社内でも高く評価され、それくらいの融通は簡単に利くようになった。

待ち合わせは新聞社から歩いて五分ほどの近くにある吉野家だった。ワイシャツ姿のまま彼女が来るのを待った。三本目のタバコを箱から取り出すと後ろから「待った?」という声が聞こえてきた

友美が俺のいるカウンターの席の隣に座るのを見届けると、俺は豚丼のおしんこセット、彼女はサラダだけ注文した。時間は夕食時となっていたが客の数は少ない。俺と彼女を除けば禁煙席で男が競馬新聞を広げながらタバコをふかしているくらいだった。友美は運ばれてきたサラダを口の中にかきこみ、胸ポケットからタバコを取り出し火を付けた。副流煙が粘膜を刺激する。俺と友美の間を横たわる重たい空気をこの煙だけが埋めている。実態を持たない幻影にそんなことが可能だという事実に、ふと疑問を抱いてしまう。だがすぐにそんな疑問は消え去ってしまった。疑問や好奇心なんてタバコの煙と同じなのだ。

生卵を割って豚肉の上に載せながら俺は口を開く。

「仕事は順調?」

「こんな商売に順調もクソもある?」

友美はテーブルに止まった羽虫をタバコの火で焼き殺した。テーブルが少しだけ焦げる。俺は視線を友美の着ている服に移した。艶やかではあるがくたびれている。夜の服は真っ当な光を浴びるとなぜここまで疲れているように見えるのだろう。

「そういえば今日、あなたの家族と知り合いだっていうおじいさんに会ったわ。そしてあなたの家族について面白い話を聞いたの。その人、あなたを探していたみたいね」

誰なのかも、一体何の用なのかも俺に心当たりはなかった。もったいつけるような口調がいらだちを募らせる。俺は興味の無い様を装うように豚丼に集中した。味がうすい。

「あなたの家族、確か交通事故で死んだのよね」

俺はうなずく。そう聞いているからだ。

「それ嘘らしいわよ、あなたの家族はもっと別の死に方をしたの。何だと思う」

中身はなくなっているどんぶりをかきこむ。かきこまずにはいられない。嘘って何だ。俺は家族ついて本当に何も知らない。

「心中よ。それも方法が特殊で、全員最後の夜にある食べ物を食べて死んだの。わかる?文字通り最後の晩餐ってわけね」

俺は持っていたどんぶりを手放してしまった。吉野家中にどんぶりの割れる音が響き渡る。

「会ってみる?」

俺は黙って頷いた。

翌日午後十一時を少し過ぎた頃に帰宅した俺は、玄関に入ると友美のハイヒールの隣に見たことのない革靴が置いてあることに気づいた。部屋には電気が付いているが話し声は聞こえない。

「ただいま」

部屋に入っていくと面識のない老人が畳に敷かれた座布団の上に座っていた。どこか懐かしい感じのする雰囲気を持っていた。半月形の眼鏡の奥で眼光が鋭く光っている。軽く会釈をして友美の隣に腰を下ろす。俺は直感的にこの人が友美の言っていたじいさんだろうと思った。

「夜分遅くお邪魔しております。お元気そうで何よりです。私は昔、あなた様の家の隣に住んでいた西脇と申すものです」

西脇。記憶の片隅にも残っていない名前だ。

俺は両親と暮らしている頃は山梨の甲府に住んでいた。と親戚の人間から聞いたことがある。家族が死んで俺は東京の親戚の家に引き取られた。まだ小学校にも上がっていなかった年のことだ。俺は親戚の家から程近いところにある小学校に通い中学高校と出させてもらった。学校は好きではなかった。何の目的も持たないような連中が無意味な行動を繰り返す。大きな声で夢を語っている割には大した努力をしようともせず何かと理由をつけて遊びまくる。何より話が退屈だった。交流というものがほとんどなかった俺は当然友達というものが出来なかった。だからこそ壁が必要だった。自分の周りに目に見えない壁を張り巡らすことで外気に当たることを避け、自らが住みやすい内なる世界を構築した。そんな俺に一人の高校教師が声を掛けてきた。

「君の世界は完全じゃない。それは文章の世界に似ている。だからこそ惹きつけられるものがあるのも事実だ。ちょっと文章を書いてはみないか。君が描く不完全性がどんなものか僕には興味がある」

そう言うと万年筆と原稿用紙を渡された。

少しためらいがあったがとりあえず何か書いてみることにした。ひんやりとした金属の重みが新鮮な刺激を与えてくれる。思いついたことを無テーマに次々と綴っていった。不思議な体験だった。言葉が溢れてくる。俺は百枚程度の自分の世界観やら社会批評やら、中には中国人が漢字をド忘れした場合に一体どう対処するかという考察までを書きまくった。

その教師はこの文章を読んでこう言った。

「実に洗練された文章で無駄がない。いや、君の文章には無駄が無さ過ぎる。見事に機械的だ。温もりを感じない」

それは褒めていたのか、けなしていたのか今となっては分からない。だが、その出来事がきっかけで俺は奨学金で二流私立の文学部に進学した。

丁度大学に進学した頃、まだ十五歳の友美と出会った。彼女は飢えた男どもが激しく往来する歓楽街の入り口で、存在そのものを忘れ去られた置物の土産品のように、無表情のまま座っていた。まだ幼さを残した無表情が妙に引っ掛かった俺は彼女に声を掛けた。最初彼女は関係ないでしょという目でキッと睨んできたが、すぐに目を伏せるとうつむきながら、こんなことを言った。

「お兄さん、わたしの体欲しくない?」

ぎこちない響きを持った誘惑だった。きっとこういうことは初めてなのかもしれない。だが俺を掻き立てたのは性欲よりもむしろ彼女の事情を知りたいという単純な好奇心だった。俺は友美を今も住んでいるアパートに連れ込んだ。

「俺は別に君の体が目当てで部屋に連れ込んだんじゃない。少しだけ君のことが知りたかったんだ。なぜ君はあんな場所であのようなことをしていたのか。何か事情があるのかな」

できるだけ刺激しないように、言葉を選びながら優しく切り出した。彼女はベッドの上に座りながら俺の話を聞いている。幼さを残した表情を持つ友美を見ていると、昔俺にも妹がいたことを考えてしまう。正確に言えば、妹がいたと親戚に言われたことを思い出すということなのだが。

友美は俺の言葉を聞くと、大きな双眸いっぱいに大粒の涙を溜めてこちらをまるで沈没船から救いを求めるような目で見た。彼女の体は確実に何かを背負っていた。彼女の心は確実に何か断ち切ることの出来ない鎖に繋がれていた。

俺はそれをただ見つめていることしかできなかった。

初めて友美に出会った夜、涙を堪えている彼女を抱き寄せて、お互いの不完全性を肌で感じあい、流れゆく時の流れを共有した。彼女は俺の胸の中で涙を流し、俺はそんな彼女の髪をやさしく撫でてやった。

友美は胸の中で一言だけこんなことを言った。

「わたしは弱いわ。誰よりも」

彼女の消え入りそうでいて力強い意味を備えた言葉を聞くと、俺は初めて外世界と自分を隔てている壁を取り払わなくてはいけないと思った。だが取り払おうとしたときにはそんな壁はすでに存在していないことに気づき動揺した。俺はなぜ今までそのことに気づかなかったのだろう。

俺は心からの言葉を友美に言った。

「俺も弱いな。誰よりも」

友美はかすかに笑顔を見せた。その表情が彼女の年齢に一番相応しいように思えた。俺達は眠った。

「……それであなた様のご家族の話なのですが」

西脇の声で我に帰る。気づくと丸いテーブルの上に三つお茶が置かれていた。

「ご存知かと思いますがあなた様は当時、祖父母様、父母様に妹様が一人の六人家族でありました。私はあなた様の祖父様と何かと縁がございまして、友好なお付き合いをさせて頂いておりました。ところがある日、あなた様のおじい様はこんな相談を持ちかけてきたのです。

『そばを食べてみたいのだがどうだろう』と。

それは、とても真剣な眼差しでした。私は当初、悪い冗談だろうと思ったのですが、どうも目の辺りを観察してみますと嘘をついていないのが分かるのです。と申しますのはあなた様のおじい様は嘘をつくときに、必ずどんな嘘でも目が寄るクセを持っていたからです。それを見て取ると私は必死に説得をしました。

『なぜだ。死んでしまうぞ。お前のかわいい孫や家族を一体どうするつもりなんだ』と。

もうお分かりかとは思いますがあなた様のおじい様はそばアレルギーを持っていました。それもかなり重度なアレルギーでして、そば枕で寝るだけでも、そばの粉が空気中に漂っていたくらいでも顔中に湿疹ができて高熱が出るほどひどいものだったのです。もし食べたりすれば、死ぬのは間違いない。だから懸命に説得しました。すると彼はこう言うのです。

『家族もいっしょに食べるから大丈夫だ。その点に関しては心配要らない』と。

偶然彼の家族全員が同じそばアレルギーを持っていたのです。……あなた様を除いて」

西脇はそこで言葉を切った。俺は緑茶をすする。彼はこの秘密を二十年間抱えて生きてきた。なぜ今になって話す必要がある?疑問と怒りが交差する。友美も黙って聞いている。体が少しだけ震えているように見える。

西脇は再び口を開く。

「あなた様のおじい様は人を無理矢理巻き込んで自分と同じ行動を強要させるような、そんな愚かな人物では決してありませんでした。その点を後で彼の家族に確かめてみても、みんな同意しているようなのです。ただあなた様は四歳で妹様は一歳ほど、ご自分で意思決定するには幼すぎる年齢であられたために、祖父様は二人をご親戚に預けられたのです。

最後に彼はこんな恐ろしいことを頼んできました。

『一部始終をビデオに撮影してくれ、時がきたら孫にそのビデオを渡してくれ』と」

西脇はそこで言葉を切り、手持ちの黒鞄から封筒を取り出し俺に差し出した。西脇は申し訳ありませんと言いながら封筒を渡してきた。

激情のグツグツ煮え立つ音が聞こえてきそうでさえあった。俺はこのビデオをどうすればいい?今更こんなものを、家族が死んでいく様子を指咥えて眺めろというのか。

「それで俺はせんべいでもかじりながらこのビデオを見ろと、それがじいさんの遺言なのか」

俺は立ち上がり西脇を見下ろす。西脇は視線を右往左往させ見るからに狼狽している。構わず続けた。

「あんたは俺の家族が死に絶える様子をビデオカメラでしっかりと撮影していたというわけか。なぜ止めなかった?なぜ俺の家族の死を黙認したんだ!」

友美は俺の持つ封筒を眺めながら難しい顔をしている。それも当然のことかもしれないと思った。他人の家族の死に様が映像で残っている。それを遺族が受け取る。一体他人の目にはどう映るのだろう。

額に汗が滲み出ている西脇に最後の言葉を放つ。

「西脇さん、もう死んでしまった家族に対して、別に俺は特別な感情というものはわいてこない。だが怒りは沸沸とわいてくるよ。この怒りはあんたに対するものだ。止められずにおとなしくビデオカメラをまわしていたというそれは、あんたのエゴだよ。俺の家族に負けず劣らずのだ。さっさと帰れ!二度と俺の前に現れるな!」

俺は肩で息をしながら、己が持つ最大限に冷たい視線で西脇を睨みつけた。西脇は急に色褪せ小さくなったように見えた。彼はそそくさと立ち上がり、失礼しましたと言って玄関へと向かった。俺は西脇の後ろ姿に向かって一つだけ問い掛けた。

「俺の妹はまだ生きているのか?」

彼はビクンと背中を動かし、こちらに向き直った。だが視線は俺には向けられていない。

「確かに妹様は検査の結果、そばアレルギーだったと祖父様が申していたのを記憶しています。しかし先ほども申し上げたように祖父様は妹様を巻き込まず、ご親戚に預けたと申していたので、あなた様同様どこかで生きておられると思います。

「妹にはビデオを渡しにいかないのか?」

「その必要はありません。ではこれにて失礼します」

ドアの閉められる音と西脇が残した最後の言葉が、不思議と調和し部屋に響いた。ただスッキリしないのはその必要はないという言葉だ。一体どういう意味で言ったのだろう。

一つ大きな溜息をつくと、友美も一つ大きな溜息をついた。

「君も見るかい?」

俺は冗談のつもりで言った。

「ええ、見るわ」

友美は翌日、俺が仕事に出かけている間にそばをゆで、それを食べて死んだ。遺書も何も残してはいかなかった。西脇も二十年の空白を埋めるように首を吊って自殺したのだという。

俺はそれ以来、そばを食べるたびにこの事件を思い出す。友美のことを家族のことを思う。そして西脇がビデオカメラを片手に死に掛けた家族を撮影している場面を想像する。なぜ彼らはそばを食べて死んだのか、なぜ西脇にそんな依頼をしたのか、西脇はなぜ止められなかったのか。だが考えるだけでいつも答えは出ない。

なぜか時間が流れるにつれて、友美や家族が死んでしまったということは当然のことのように思えるようになっていった。彼らは確かに死んでしまったことで生という流れの中で蓄積される風景は無に帰すこととなった。でも彼らの中で新しい何かが始まったこともまた確かなのだ。

しかし、彼らの中で何かが始まろうとも、俺自身の中では何も変わらない。激しい変化の渦の中心で俺は不変を守りつづけてしまう。変化の確認には不変が必要であるからだ。決して好きで俺は動かないわけではない。動けないのだ。見つめる勇気しか持てない、弱い存在でしかないのである。

妹は俺とは別の弱さを持っていた。彼女は蕎麦を食べて変化の流れに身を任せた。蕎麦は確かに記号的なもので重要なものの代わりを務めたりもする。だが時にそれはひどく空虚なものの代わりを担うこともある。蕎麦は俺の代わりを担ったのだ。そう考えるとひどく哀しい気持ちになる。虚無の海に沈められていくような錯覚にとらわれる。そして負の感情を象徴しているような、巨大なおもりを付けられることで俺はその海底を漂う。静かだ。音は無い。あるのは妹の幻影と、唯一の家族ビデオだけだ。

まだ俺はあのビデオを捨てられない。

2007年11月21日公開

© 2007 児島啓祐

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