Adan #68

Adan(第68話)

eyck

小説

659文字

ワタキミ的アイスバーグ作戦〈16〉

 

明くる日、僕は北谷町にいた。ワタキミちゃんの出演するジャパニーズヒップホップ野外イベント〈ダブルピース・フェスティバル〉に僕はマネージャーとして彼女につきそっていたのさ。当然だよ。仮にワタキミちゃんが悪魔サタンだとしたら僕はピッチフォークなんだ。そうそう、フェスの会場、そこは僕の自宅マンション近くの北谷公園陸上競技場だったよ(二〇〇九年にリンキン・パークがライブした場所さ。チェスター永遠に!)。

 

 

このボロノイ図のように会場は非中心的にちりぢりに一体となっていた(ボロノイ図のひとつひとつの領域に章番号つけて小説書いてもおもしろそうだね。群像劇でもいいし主人公の心の解離でもいいし。非有非空でもあり非有非空でもない物語を表現できるかも?)。

 

その日は一万人のオーディエンスが集まってたみたい。会場では午後四時の開演前から星条旗と日章旗がなかよく一緒に燃やされ、赤い発煙筒がたかれ、それから〈NO WAR〉とか〈基地反対!〉といったフレーズの刻印されたプラカードを手にした人もたくさんいた。どうして会場がそのような裏ダブルピースな様相をていしていたのかというとね、このフェスの一週間くらい前に米軍嘉手納かでな基地所属の空軍兵による銃所持脱走事件が発生していたのと(脱走兵は同日中に読谷村よみたんそんってとこで捕まったんだけど銃には弾が十五発こめられていたとのこと。しかもその脱走事件はわれわれに伝わってなかった)、おまけにこの日の前日に辺野古へのこ沿岸に新基地建設のための土砂投入がはじまったからなんだ。

2021年3月17日公開

作品集『Adan』第68話 (全83話)

© 2021 eyck

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