ぐんじょうのひかり
みだり眩しいから目頭が熱くなる
「メルヘンは貧相だから直ぐしぼんでしまうんだねえ」
透る上澄みはしぶく毬のような、消えない多色、記憶の一粒一粒
定かでなく、最中でもない
いたずらするらくがきだ
そして、まほうならば、宵に満ち足りる
ひらきに見た 遠景の奇説は、ただではしれない
よるにむかって歩いている
千里眼でも手品でもないから、ただそれじゃ、かげもかたちも
弧を描いて塞ぐ 白地に光を無駄に注ぎ褪せるまで
鏡面の湖に私だけが浮いている絵葉書
ベールを被った少年時代が地平に開いた踏み段を、踊り場を飛び越える。まどべに灯りはあり、呪縛のよう箱庭あり、手招く辺り。
しおからい うみから ぎょうこうを みています (この胸に腹にそっとおさめる) ―― 海宙光芒
含ませるほど散漫で幅も厚みもない、ただ奇麗に並んでって
傷だらけの溝に埋まる、正体を、君と名付けて見ようとした。
脇道から逸れ和やかな場所へふと帰り着く。そんな、ひとたびのこと。
しょうじのあな
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