「マスターの息子さん?」
僕はそれを調べようと足繁くこのBARに通っていた。BARの名は、『DENE』。良し!良し!良し!
「そー……では、ありません。」
ちがうのかぁ!これは予想に反して面白い!
「なーんだ。残念。昔ね、カクテルパートナー事件ってのがあって、それの首謀者に似てるなって、思ってた。」
なんじゃそりゃァ?!
「青年を拾った。私が知ってるのは其れだけ。」
「吐き気も無しに……本物とは言えんのう!!」
「む、村方!」「ええい!待てい!理屈は分からんが!お主、村方では御座らんな!」「対した!!」「無礼な口答え!その方の道理聞くに耐えん!そういうことじゃろうに!」「いかん。カットじゃ、カットー!少し落ち着け!まったく。」「黒澤、偉そうじゃのう」「じゃのーて、」
「……村方君。悪かった、まあ。座れ」
「いやー、よっぽど外は暑いんじゃろーな。」
「わからんよ。村方が来たくらいで、わからん、わからん。」
「村方君、はよう。」
「案外、そこいらが涼しいか。れいと〜じゃ、れいと〜」「バカバカしい」
「よし。村方、ちょっと頼みがある。」
「そうなんよなぁ」
「お、いや、まったくわからん。
うまいな、村方君は!」
「ふーん」
「たしかにわからんな。」
「という具合じゃ、村方!」
「わしが言うても信用せんじゃろうが、
この『袋小路大辞林』にそう書いてある。」
「まったく、用意がいいね。大将は。」
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