#noveljam に神は降り立った。もはや後には引けないが、なぜそんな目で俺を見るのか

平成八王子事変*ストラタジャム2018*戦略レポート(第6話)

波野發作

ルポ

3,784文字

いらすとや+生頼範義風というスーパー破壊力爆弾の前に、俺の腹筋はもう崩壊寸前。しかし天王丸景虎はそのとき

このさき、極めて重要なネタバレ要素が連発される予定なので、『バカとバカンス』(天王丸景虎・著)を読み終えたものだけが読み進めるといいです。

まだの方はこちらから→『バカとバカンス』ランディングページ

 

はい、じゃあ読み終わった方からこちらへどうぞ。

 

*********

 

いらすとやで「神様」を召喚したところ現れたのが、この御柱。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その名もインターネットの神。

プロットには「なんかプログラマー的なことをして、世界を構築したりメンテナンスをしている神的な存在」という「俺」が登場する。

はいじゃそれはこれで確定。

 

次。

教典プロットにはこのように示されていた。

「ただボタンを押すという仕事をさせられている『僕』という存在あり」

はあ。なるほど。なんか工場でボタンを押している人があればいいのか。あるかなそんな都合のいいイラスト。

とりあえず「工場」で検索。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんのかよ! しかもプロットどおり「3つのボタンがある機械」。

はあぁ? ヘイヘイどうなってんだYO!

 

次行こう。

教祖天王丸はこのようにプロットに書き記している。

「私なる存在は、『僕』らを統べ、管理している。その肉体と脳はナノマシンやAIなどで強化されている」

なるほど。そういう存在か。まあ実際は見た目人間と変わらんのだろうけど、それだと見てもわからない。

ええと、そうだな。じゃあ「AI」で検索だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仕事をする人工知能のイラスト」

ああ、これはわかりやすい。実にわかりやすい。

メインはこの三要素か。

 

他に示されているのは、「神に好き放題オーダーを繰り返してきた過去の賢人」だ。

うーん。まあ探すだけ探してみるか。

景虎氏のプロットにあった偉人の例を検索する。

「エラトステネス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでおんねん。わりとマイナーだろあんた。

しかもすげえいい顔しやがって。お腹痛い。

 

次にその偉人との対極の存在。

「VRに興じる僕」を探す必要がある。これらは対を成すものだ。

「VR」で検索

VRはいくつかバリエーションがあった。

しかし一際本作にマッチしていたのがこの方。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんなんだ。俺を笑い殺す気か。もうすでに相当腹筋がやられている。辛い。

デザイナーは過酷な職業だと体感できた。

しかもちょうどエラトステネスと逆向きになってるじゃないか。同じ向きでも片方反転すりゃ済むけどね。

 

次に必要な素材は「地球」だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そりゃまあ、あるよな。あるだろう。今日検索した中では一番ありそうな素材だ。

まるまるふっくらした地球様が見つかった。拝んでおこう。

 

あとは背景か。まあ背景はNASAで借りてもいいし、なんでもやりようはあるよな。

とりあえず検索だけしておくか。

「宇宙」で検索っと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あった。しかもご丁寧に「背景素材」。

いらすとや、おそろしい子(白目

 

というわけで、なんとひと通りプロットに示された素材が集まってしまった。

集まって、しまった、のだ。

集まらなかったらやめようと思っていたのだが、こうもあっさり都合よく集まってしまった。

賽は投げられた。ルビコン川を渡ってしまったのだ。

もうやるしかないところまで俺は追い詰められていた。

 

とりあえず配置だ。配置しておかしければ、そこからの撤退も考えられるではないか。

生頼範義先生のイラストには何種類もスタイルがあるが、代表的なものが「スターウォーズⅡ 帝国の逆襲」のポスターに使われたアレ。

いろいろな素材がスケールを無視して配置され積み上げられるというアレだ。

ぼくは上野の森美術館の生頼範義展で、じっくりとのその構造を堪能し、目に焼き付けてきた。

すでに頭のなかには完成体が見えている。

 

プロットにはサブタイトル案(あるいは英語版タイトル)が添えられている。

「Fool on the Hill」

野崎さんが提案したもののようだ。ビートルズの曲名と同じもの。

ぼくは昨日のプロット会議を外れていたので、どういう過程でこの物語が生み出されたのか知らない。

結果だけを見て仕事をしている。だから先入観がない。

地球を丘に見立てて、土台とした。

 

その上に、神を立たせる。メインビジュアルだ。足元を背景に回して、巨大感を与えてみた。

次はその背後に、エンジニアへの冒涜オーダーを行う二つの存在クライアント、エラトステネスとVRくんを大きめに配置する。

AI強化人間は神の足元に中程度の大きさで置いた。なんとも収まりがいい。

メインビジュアルの足元には軍団や群衆が置かれることが多い。ボタン三つの「僕」をたくさん置けばいいだろう。

設定でも「僕」的な存在は大勢いることになっている。

そして背景に宇宙を置いた。

 

素材はそれぞれ拡大率がバラバラだ。このままでは違和感しかない。

背景側にあるクライアント2体は半透明にした。どのぐらい半透明にするかは数値を変えながら調節するが、今は適当でいい。

神の後光はグラデーションで透過が入ってる。おあつらえ向きだ。

スケールの小さくなる下方のアイテムは「ぼかし」を入れてなじませる。

逆に拡大になってしまってジャギの出るアイテムもぼかしてなじませる。

 

最後に下側に帯を。そしてタイトルと作者名をのせた。

 

なんだこのフィット感。

いらすとやがいいのは、同じトーンで統一されたアイテムが大量にあることだ。

単なる素材集だと1つのトーンでこんなに揃えることは不可能だ。

いろいろテイストのアイテムを組み合わせることになり、なんだかコラージュのようになってしまう。

その点いらすとやさんであれば、そのマッチングはバッチリだ。ご覧のように。

 

神は世界をつくりたもうた。

天王丸景虎もこの世界を作り出した。

そして俺は彼ら神々の御業をトレースし、ここに再現した。いらすとやで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロトタイプをiPadに収めて、隣席で執筆中の天王丸景虎に見せる。ドヤ顔で!

 

「ざっくり配置しただけだけど、どうかな?」

「うーん」

あまり反応がよくない。

え?

書いてる途中に割り込んだから? そこは笑うとこだぜ。

 

「……なんでいらすとやさんなんですか?」

「え、勝負ネタなんだけど」

「昨日、画像買うとか言ってましたよね。ケチりました?」

「あ、いや、ケチったわけじゃない。見てくれこの素材。こんなにピッタリなのが揃ったんだぞ」

「うーん。ちょっと考えさせてください」

 

オーウ。ケチったと思われてしまったか。

違う、違うんだ景虎くん! 仮に有料だとしても俺はこれをやっただろう!

 

俺はとりあえずふくださんの「リサイクルキッズ(仮)」の仕上げを進めることにした。

 

つづく

2018年2月22日公開

作品集『平成八王子事変*ストラタジャム2018*戦略レポート』第6話 (全9話)

© 2018 波野發作

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

ドキュメンタリー

"#noveljam に神は降り立った。もはや後には引けないが、なぜそんな目で俺を見るのか"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る