直人が目を開けると、目の前で大きな腹がゆらりゆらり揺れていた。瞬時に立ち上がって座席を譲り、妊婦に感謝される。道義心だけではない。妊婦の腹を見ると、胎児が腹を裂いて出てくるイメージが浮かんでしまう。
夕方、直人は財布とスマホだけもって家を出たのであった。Tシャツにショートパンツで足元はサンダル。コンビニへ行く途中で思いついた。このまま、いったん実家に帰ろうと。父親の義男に電話を入れた。
直人は窓の外を見やる。上野公園の木々が目に入る。どうしているだろうか、紗英は。今、二十歳になった紗英とどんなふうに話せるのかと思う。二人は十四も歳が離れている。丸くなっているだろうか、直人が家を出る前のように、一言一言言葉を握りしめ刺してくるだろうか。高校生の紗英に帰宅が遅いと注意すると、二言目には家出たら? とあきれられた。正規の図書館職員のため実家を出られないことはなかったが、紗英が大学生になるまでは家にいて協力したかった。兄としてそれが正しいと思っていた。窓の外を凝視すると、目の隈が濃く頬の肉を少しこそいだような男の顔が木々に被さっている。
日暮里駅に着くと、直人は階段をくだりながらおみやげでも買うかと思案する。夕焼けだんだんをくだり商店街を一望すると、お総菜でもいいかと思い直す。
富士見坂の坂下にある住宅街の一角――家々が所狭しと立ち並ぶ小道に――直人の実家はある。駅から十分ほど歩いただけで、直人は刻々と垂れ流す汗によりTシャツと背中をくっつけた。不快だ。さっきから警戒心のない猫が自分の前をのそのそと歩くのも気にさわる。邪魔だ。急に思いついたように猫は走り出し先に通りから小道に曲がると、家々の影に沈み込んだように姿を消した。
家の前で一息つきチャイムを鳴らすと、すぐさまドアノブが回り紗英が笑顔で登場する。その懐かしい爬虫類型の顔を見た瞬間、直人はどきりとしてしまう。おかえりーと紗英は喜びを満面にして直人を迎える。暑かったでしょう。あ、やせた? 紗英は左手でうちわをあおぎ、ずいぶん古いワンピースを着ている。ああ、久しぶりと直人は平静を装って中に入り、性急に油が染みた紙袋を差しだす。メンチカツとコロッケ。商店街の? よく買うのにと半ばあきれながら紗英は親しげに笑う。
なんとなく逃げたい感じがあり、荷物もないのに直人は自室へ行こうと階段を上り始める。部屋? ああ、ちょっと見ようかと。紗英はシーツかけといたよと言い、直人が上がっていくのを見ながら、お父さん、直人来たよ~と居間に向かって呼びかける。直人は家を出る前、雑に兄貴と呼ばれていたと思い出す。あまり呼ばれもしなかったが。
直人はベッドに座り息を整える。確かにきれいにシーツはかけられている。部屋は代わり映えしない。父親のお古の机とイスと空の本棚。引っ越したときに出たきりだ。窓を開けると同じような高さの住居が並ぶ。谷底に人がうじゃうじゃといるのだ。部屋は蒸し暑く、身体は涼みたがっているが動く気がしない。緊張は嫌だ。ひとまず落ち着きたい。
どういう気だろう。あの服装、あの髪型。
突然、スマホのバイブが鳴る。直人は画面を見るや否やぎゅっと目をつむるように電源を切り、少しするとさもしょうがないと言った感じで立ち上がる。
居間に鈴の音が鳴り響く――直人は合掌し、お供えものを買い忘れた不義理を心の中でわびる。目を開けて遺影と目を合わす。見れば見るほど母の早妃は紗英に似ている。いや、紗英が早妃に寄せているのだ。今やボブにした髪型とその長さまで同じである。
すぐ後ろで義男があぐらをかいていることに気づく。直人は向き直りエアコンを見て、新しくしたんだと聞く。けっこう前だな。あ、そう。最後に来たの、二年前くらいか。そうだね。ちょっとやせたか? ちょっとね。仕事は、変わらず? うん、図書館。そっか。義男はほっとした顔を見せる。お父さーん、ちょっとーという網をかけるような紗英の声が台所から聞こえてくる。はいはいと義男は手繰られ立ち上がる。
直人は部屋を見回す。長い間使われていないエレクトーンが今でもある。兄妹ともに早妃の友人である麗子先生に習っていた。ベランダにはナスやミニトマトがなり、テーブルには花が活けてある。直人には花の名前がわからない。家にいたときはなかった。母がいたときはあったかもしれない。
紗英は変わった。少なくとも明るくはなった。台所からは楽しげな声が聞こえる。直人は振り返り、紗英と義男が仲睦まじく餃子を包んでいるのをしばし見つめた。
かんぱーいという紗英の声とともに三つのグラスがカチリと合わさる。
食卓にはだだちゃ豆、餃子、なすとピーマンのしぎ煮、直人が買ってきた揚げ物、各々の前には細切りした大根の味噌汁とご飯が並ぶ。
「料理してるの毎日」と直人は紗英に聞く。
「しょうがないじゃんねえ」と紗英は義男に同意を求めるように答える。
「でも、俺がいたときぜんぜん」
「誰かやらないといけないでしょ」
「まあそりゃ」
それに、と紗英は義男のひじに触れて言った。
「私、この家のお母さんになったから」
え? と直人は声をあげ、義男を見る。義男は紗英の手から離れてグラスをとる。
「ほら、俺下手だしね」
「でも焼くのうまくなったよね」と紗英は餃子を顎で指して言った。
直人は二人をいぶかしみながら味噌汁を手に取る。気持ち悪い、夫婦のように。一口すすると、唇を焼くような熱さと白味噌の薄味に遠い記憶のつぼを押された心地がする。義男が直人を見ていた。
「麻理子さんは?」と紗英が聞く。
「ああ、忙しいんだって」
「夏休みじゃないの?」
「なんかいろいろ。俺も急に来ようと思ったから」
「なんの荷物もなかったもんね」と紗英は笑う。
義男が枝豆の殻入れを探すと、紗英はすぐさま立ち上がる。
「後でちょっと話したいんだけど」
「ああ、じゃあ書庫で」
紗英が黄色いボウルをテーブルにもってくる。
「もらった桃もあるんだけど」
「お腹入らないよ」
「明日でもいいんじゃない。そんなすぐ帰らないだろ?」
「まあ明日とか明後日には」
「いつまで? お盆休み」
「今週いっぱい」
「そしたらもっといればいいのに、ねえ」
「ああ、久しぶりなんだし」義男の言葉に身が入ってないと直人は思う。
「何度も連絡したのに、心配してたんだから」
「ああ、ごめん」
そうだったか。そんなにメールも電話もこなかった気がする。
義男が太股をかく。
「刺された?」
「ああ」と義男は言って蚊を目で探す。
紗英はにわかに踊り出すように立ち上がり、タンスの上にあるチューブ状の塗り薬をもってきて、義男のかたわらにかがむ。
「すごい赤くなってる」
「いいよ」
「ちょっと、なに照れてるの」と紗英は義男の太股に塗りたくる。
直人が冷めた目で一瞥すると、義男は視線を逸らす。紗英が起き上がり、直人は刺されてない? と聞いてくる。刺されてないよと言いながら、彼はふくらはぎをかく。紗英は少々はしゃいでいると思う。
「あ、ねえ、あとであれ見ようよ」
「あれ?」
「この間出てきた、直人が赤ちゃんのときのビデオ」
直人は恥ずかしいからいいと言ったが、早妃も映っていると聞かされると瞬時に何も言えなくなってしまった。
食後部屋の明かりを消し、白壁に八ミリフィルムの映像が映される。赤ん坊の直人がよちよち歩いている。その横に当時二十五歳の早妃がいて直人の顔の前で拍手をしている。早妃はバンダナをしていた。そのころの流行りだったのか、直人は母のバンダナ姿を新鮮に思う。
現在の直人が映像の早妃をちらっと紗英と見比べる。年が近いせいか、より似ている。紗英が見てくる。直人は映像に視線を向ける。赤ん坊の直人は早妃に抱っこされている。直人は早妃のカメラ目線と紗英の視線に挟まれ、頭をかく。
紗英が風呂に入っている間、直人と義男は書庫に入る。風呂場に居間の声は聞こえてしまう。
散歩系雑誌の編集者である義男の書庫は壁に沿って本棚が設置され、本や雑誌がぎゅうぎゅうかつ乱雑に積まれている。直人は棚の揃っていない本の背を指でなぞる。
「気持ち悪くない?」
「全然」と義男は答える。
直人は本棚から本を掴みだす。
「え、いいよ」
「なんか嫌なんだよ」
「すぐ元に戻るのに」
数冊の本が棚の脇にぐっと寄せられる。
「どう思ってるの、紗英のこと」
「これからのことか」
「いや、今の二人の暮らし」
「どうって」
「なんか夫婦みたいで気持ち悪いよ」
「そうか?」と義男は本棚から本を一冊とる。
「髪だって服だってお母さんの」
「いつの間にか出したんだよ」
「お母さんの味の味噌汁もなに?」
「やっぱそう思うか」義男は本を手の中であまらせる。
「つくらせてるんじゃないの」
「そんな訳ないだろ」
「じゃあなんで同じ味」
「わかんないんだよ」
「要はお母さん求めてるから、ああなるんじゃないの?」直人は少し強く出てしまったと思う。
「前から、昔から似てるだろ」
直人は義男の本をもらい本棚に強引に差し入れた。
「直人が家を出たあとしばらくしてからかな、似せるようになってきたのは」
「何かあったの?」
「いや、何も、多分。それより、どうした急に」
「え? なに? 来ちゃいけなかった?」直人は嫌な感じが出てしまったと思う。
「いけなくないよ全然。ただ急だったから」
「急に思いついたんだよ」
「なんか、話したいことでもあるのか」
いや、特にと直人は本を指でなぞりながら言う。まあ思いついたらいつでもと義男は言葉を置いていき、書斎を出る。
直人はしばらく本の整理をし続ける。本は揃っていなくてはいけない。
入浴剤が入った白い浴槽に浮かぶ長い髪の毛。直人はそれを指ではらいながら、紗英が小さいころ、いっしょに風呂に入っていたことを思い出す。あのころは仲がよかったと思う。頭を洗った。背中を洗ってくれた。浴槽につかり、しりとりをした。直人が小さいころは、早妃が頭を洗うのを浴槽から見た。歌を聞いた。あれは何の歌だったか。
イスに座り、鏡に映る自分の裸を見る。お腹回りには凡庸な脂肪がついている。何も考えず毎日ビールを飲んでいた時期がある。元々痩せ形だから気にせずいたら、いつのまにかこうなっていた。額にあるしわもそうで、ある日起きたらついていた。加齢も加重も一気にくる。今の自分は二人にはどう見えているだろうか。少なくとも成熟や洗練とはほど遠い。また浴槽に戻る。気がつくと、直人は湯がぬるくなるほど風呂に入っていた。
風呂を出たあと、髪を曖昧にタオルで乾かしたまま、直人は豆電球だけ残してベッドに横になりスマホでインスタを見続ける。世界には無害なかわいい子が無限にいると思う。いや、無害だと思いたいだけなのだが、皆堂々としていてうらやましい。性欲に結びつけないで女性をこうやって永遠と見続けたい欲望はなんなのだろう。消費もせず耽溺までいかず、見ることそのものに少ししがみついている時間。しばらく呆けて見ていたらノックの音がして上半身を起こすと、紗英が夢の中に入るようにベッドまで近づいてくる。
紗英はすっとベッドにのり、足疲れてない? と直人の足首をひざの上にのせ、足の裏を押す。どう? うまいね。マッサージ屋さんなれるかな。なりたいの? ぜんぜん。なんだ。ここは、どう? と紗英は直人のふくらはぎをもむ。うん、気持ちいい。いいでしょ。夕飯おいしかった。よかった。明日なにがいい? なんでも。お父さんみたいに言わないでよ。豚しゃぶとかは?
直人はすらすらと言葉を重ねる彼女に欺瞞を感じ、足をもむ紗英の手を制止する。
「味噌汁、どうやってつくったの?」
紗英は直人の手に手を重ねる。
「今度いっしょにつくろうね」
紗英は立ち上がり、遠くの世界に向かうようにドアを開けて振り返りささやく。おやすみなさい。ドアが閉まると、直人は調子が狂い、わずかに開いているカーテンをピタリと閉める。なんだあれ、演劇のように。役者のように。
少し休めるという算段で帰ってきた。だが、自分がしっかりしなくてはいけなかったのだ。義男には当事者意識がない。紗英も家を出たほうがいい。少なくとも大学を卒業したら。母親ごっこなどせず。一度切断しないと適切につながれない……今の自分に何が言えるか。足の踏み場がない。神経が高ぶりなかなか寝つけない。隣の紗英の部屋が閉まる音がする。直人はしばらくじっとしたあと起きあがり、自分より少し若い巨乳のグラビアアイドルの画像をスマホでダウンロードし、暗い部屋の中で射精してから強引に寝入った。
直人が目を開けると、目の前で大きな腹がゆらゆら揺れていたが、金縛りにあったように動けない。正面だけでなく、その後ろにも横にも妊婦の腹が見えて――目の端にも両隣の大きな腹が映ると――ようやく気づく。ここは見渡す限り妊婦で占められている電車内で、目線を上げると各自大きくなったお腹を揺らしながら直人をにらんでいる。直人は動け動けと縛りを解くように体へ命令すると、ようやく動き出した足がもつれつんのめって倒れてしまう。頭上の腹から胎児が今にも突き破って出てくると思い、焦る。ひらひらと目の前に蜘蛛の糸のような白く細い手がさしのべられ顔をあげる。紗英だと思ったが早妃のようにも見えて、どちらかわからない。その彼女にトイレはどこか聞く。相手は答えず、直人は夢を見ているのだなと半ば覚醒する。
直人が起きて階下のトイレに向かうと、洗濯機が回る音とまな板をたたく包丁の音が聞こえてくる。寝ぼけた頭で台所をのぞくと母の背中が見える。振り返ると紗英で、おはよう、もう起きたの? と声をかけてくる。ああ、トイレ。もう少し寝てなさいよ。うん。
ベッドに戻り、スマホでピアノとギターだけのインスト曲を小さくかけ、うつらうつらしながら昔この部屋で過ごした朝を思い出す。主に小学生のとき。朝は苦手ではなかった。母に呼ばれるまでの薄ぼんやりとした時間が好きだった。夢の痕跡がまだ身体にあるが、もうどんな夢だったか忘れ始めている。気分としての夢が尾を引いている時間。母の声で夢と現実との境目は打ち切られるが、その頃にはお腹は空いていた。嫌々起きるふりをしていた。そんな回想の矢先、直人ご飯だよーという声が耳に飛び込んでくる。昨夜義男を責めたのだと自分を締め直す。
カウンターには弁当の用意がされていた。つやつやの人参を甘く炒めたものとゴマがかかったほうれん草の煮浸しがある、と気づく。直人もそれがシンプルで好きだった。
食卓にはそれぞれの味噌汁、ご飯、目玉焼きとベーコンのほかに大ぶりに切った桃もガラスの器によそってあった。
テレビでは天気予報が映っていた。昼から雨が降るところがあるという。紗英が直人のほうを向く。
「夕飯、何がいい?」
「まだいいでしょ」
「お昼はそうめんあるし、そばもある」
一足先にごはんを食べ終えた義男がフォークで桃を刺して口元に運ぶも果汁がぼたぼたとあふれ、右腕の内側を伝ってひじの裏側のくぼみまでつーっと垂れていく。隣に座る紗英がしょうがないなと言った感じで嘆息しながら、寄せ合った人差し指から薬指でそのだらしなく垂れた果汁をすくい取り口元に運ぶ。直人は紗英の慣れた様子、義男の直人を意識した羞恥心に腹が立ち大きな声を出す。やめろよそんなこと。何急に。父親だぞ。だって、お父さん食べるの下手だから。紗英は唇をぬらぬらさせて笑う。直人は二人に嫌悪感を向けて言い放った。気持ち悪い、気持ち悪いよ二人。義男はちょっとべたべたしすぎだなとか口ごもりながら、そそくさと家を出ていく。色鮮やかなたっぷりと愛情のこもった弁当を持って。
桃にフォークがぶすっと刺さる。直人は不愉快そうに桃を口に入れる。自分の先ほどの反応は過剰だったかと振り返る。正常のラインがわからない、というより自信がない。二十一歳の娘が父親の腕に垂れた汁をすくいとってなめるのは、自分の感性では気持ち悪かった。が、よくわからない。仲が良ければありなのだろうか。母のように紗英が振る舞うのに過敏になっているから、思わず怒鳴ってしまったのか。それにあれは怒鳴ったうちに入るだろうか。怒鳴ることなんか人生でなかったから尺度がない。果汁がテーブルの上に垂れてしまう。
紗英が台所から戻ってきて、カウンターにおいてあるポットに電源を入れる。
「コーヒー飲む?」
「いらない」
「まだ怒ってんの?」
「おかしいだろ」
「じゃあ買い物行こ、なんか買ってあげる」
「だからなんだよその感じ」
「だってお父さんのシャツじゃ嫌でしょ」
確かに今、直人が着ていた沈んだ藍色のポロシャツは義男のものだった。いまさら衝動的に家を出たのを後悔する。
「墓行くだけだからいいよ」
「暑いよ、ちょっと涼しくなってからにしたら」
直人は立ち上がり、どすどすと歩いて居間を出る。ポットのお湯がボコボコと沸騰している。
我那覇キヨ 投稿者 | 2024-05-22 11:06
文藝賞最終候補作とのこと。
大変面白かった。
実家を離れているうちに不気味なことになっていた妹と父の関係。妹の出産と共に亡くなった母の影が、家庭という最小単位の社会を歪めて起きた事態なのか。
異様な磁場の働く実家に、妻からのDVから逃げ込んできた主人公が訪れるところから物語は始まる。
稼ぎが多く弁の立つ妻と主人公の関係。
まるで死んだ母の生まれ変わりかのように振る舞う妹。
これは家庭という最小単位の社会が持つ磁場に足を取られた人々の物語だ。
中盤、倒錯した関係の中で周囲から優しくする、される中で快復していく主人公の姿が印象的だ。文章の飾りの少なさも相まって、著者の家庭を見る眼差しの深さを感じた。歪みがあることを認めた上で、その効用もまた認めているのだと思う。
明確な悪役を用意したり一線を越えることで、インモラルな話にするなら簡単だったろうが、この著者はそうしないところに誠実さがあるように感じた。
色々な方の感想が気になったので文藝2023冬号を購入し、審査員の選評にも目を通した。
町田康氏の選評だが、終盤のシーンに対して誤読ではないかと思われる。(短い文字数で選評を表現するため『改心した』と書いたのだとは思うが、短くするために意図を違えるのは言葉のプロとして誠実な態度ではない)