https://hametuha.com/novel/60776/ 破滅派 月に鳴く 月に鳴く(第9話) 合評会2021年09月応募作品 松尾模糊 関東大震災直後の朝鮮人虐殺を怒りの詩で表現した萩原朔太郎。ドイツにおけるホロコーストの歴史と食卓の上の名産ワイン。百年の時を経て、歴史と現在を繋ぐゆるやかな思考の先。 タグ: #ナチス #純文学 #萩原朔太郎,猫 #関東大震災 #合評会2021年09月 小説 3,904文字 ――朝鮮人あまた殺されたり その血百里の間に連らなれり われ怒りて視る、何の惨虐ぞ 「近日所感」萩原朔太郎、一九二四年二月『現代』より 作品集『月に鳴く』第9話 (全16話) 月に鳴くの全文は電子書籍でご覧頂けます。 続きはAmazonでご利用ください。 Amazonへ行く 第8話 第10話 目次 千年果樹の投擲 2023 年 5 月 4 日(4年前) 砂上の灯籠 2021 年 11 月 27 日(4年前) 空飛ぶ理由 2022 年 3 月 14 日(4年前) 月に鳴く 2021 年 9 月 17 日(4年前) 渦巻考 2021 年 7 月 30 日(4年前) 睡魔 2021 年 2 月 21 日(4年前) 初陣 2021 年 1 月 10 日(4年前) 全16話を見る これは合評会2021年09月の応募作品です。 他の作品ともどもレビューお願いします。 みんなの評価 3.2点(12件の評価) ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。 1 2 7 2 0 破滅チャート あなたの感想 ログインするとレビュー感想をつけられるようになります。 ログインする Share This シェアする 面白かったらSNSでシェアしてください。シェアしていただくと作者がやる気を出します。 シェア つぶやく ブックマーク 送る 破滅派 > 執筆者一覧 > 松尾模糊 > 月に鳴く > 月に鳴く 著者 松尾模糊 破滅派 編集者 一九八三年生まれ。フリーライター、編集者。福岡大学法学部卒。二〇〇七年に単身渡英し二〇一二年に帰国後、様々な職を経ながら執筆活動を開始。二〇一八年から破滅派に参加。文芸雑誌『代わりに読む人1 創刊号 特集:矛盾』に掌編「海浜公園建設予定地」寄稿。 7年前登録 98作品 詳しく見る フォローする 問い合わせ この作者の他の作品 骨踊れ、歌え骨よ! 小説 松尾模糊 2021 年 10 月 29 日 #BFC3#ファンタジー#自由詩 BFC3落選作。死者の日を描いた掌編です。 ブンゲイクルセイダーズ 小説 松尾模糊 2021 年 10 月 22 日 #ユーモア イグBFC2参加作品。締切間際の攻防です。 島おじさんの哲学談義~島自我は海を越えて、メタ2021~ 小説 松尾模糊 2021 年 10 月 11 日 #ヴィトゲンシュタイン#ハイデガー#メタフィクション 大阪のリトルプレス/インディーズ出版店 兼 ギャラリー「犬と街灯」さんが主宰する"貝楼諸島”という架空の島々をテーマにした島アンソロジー参加作品です(詳細→https://twitte… 渦巻考 小説 松尾模糊 2021 年 7 月 30 日 #哲学 鳴門海峡の渦を見ながら渦巻く思考はどこまでも回り続ける。筋のない話の極北に挑んだ意欲作。 帝と月に駆ける馬 小説 松尾模糊 2021 年 3 月 19 日 | 10件 #AKIRA#競馬 ≪ヴィテブスクの冬の夜≫マルク・シャガール(1947年、45x59.2cm、油彩キャンバス、所蔵:神奈川ポーラ美術館) 3月合評会応募作。二度にわたる核戦争で地球は壊滅的な放射能汚染に侵された… 睡魔 小説 松尾模糊 2021 年 2 月 21 日 #幻想#怪奇 子悪魔を見つけた子どもがその世話をする話。それは眠れぬ夜の悪い夢なのか、幼い彼には分からない。 この作者の人気作 耳を塞ぐ 小説 松尾模糊 2020 年 11 月 16 日 | 12件 #ファンタジー#ホラー#ムンク 老後の趣味として油絵を始めたものの、妻には家に一日中いる邪魔者として嫌味を言われる。エドヴァルド・ムンクの《叫び》の模写をやりながら、遠い青春時代に親友だった神田に聞いた《叫び》のエピソードを思… 枯木朽株 小説 松尾模糊 2022 年 5 月 16 日 | 11件 #怪奇#純文学 戦後、ソ連崩壊時にモダニズム建築家・灰井によってウラジオストクに建てられた記念碑。老朽化により取り壊しが決まったそれをVRで再現し残す計画を持ち掛けられた弟子は、灰井の真意を知ることとなる。 月に鳴く 小説 松尾模糊 2021 年 9 月 17 日 | 12件 #ナチス#純文学#萩原朔太郎,猫 関東大震災直後の朝鮮人虐殺を怒りの詩で表現した萩原朔太郎。ドイツにおけるホロコーストの歴史と食卓の上の名産ワイン。百年の時を経て、歴史と現在を繋ぐゆるやかな思考の先。 幻憶都市 小説 松尾模糊 2022 年 7 月 10 日 | 16件 #SF ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ 《『ローマの古代遺跡』(第2巻II)より:古代アッピア街道とアルデアティーナ街道の交差点》1756年刊 エッチング 町田市立国際版画美術館 クローン人体… 毒素 小説 松尾模糊 2019 年 3 月 11 日 | 12件 #私小説 2019年3月合評会応募作品。テーマは「低カロリー高タンパク」ですが、低タンパク高カロリーで誤検索した結果、今話題の人工透析の問題にぶち当たったので破滅派色を出して書くことができました。 本立て犬とこたつ猫 小説 松尾模糊 2018 年 12 月 6 日 | 23件 #ファンタジー#私小説 2019年1月合評会参加作品です。夏目漱石の『吾輩は猫である』をベースに佐川恭一氏、工藤はじめ氏そして、高橋文樹氏の作品に大変刺激を受け、執筆いたしました。佐川氏はモロゾフと共に勝手ながら登場さ… 著者詳細プロフィール 破滅派のオススメ 絞情 小説 W-E aka _underline 2023 年 6 月 12 日 #サスペンス 2014年の未発表作 マッチングアプリ日誌1 エセー おしゃれなコケシ 2022 年 7 月 11 日 | 2件 #ドキュメンタリー#私小説 コケシが45歳でマッチングアプリ彼氏を作るまでの記録 ―アプリ登録以前― AIに適当に書いてもらった小説1 小説 樋口恭介 2022 年 6 月 16 日 | 1件 AI(AIのべりすと)に適当に書いてもらった小説(人手が入っているのは改行と削除だけ)です。試してみたら破滅的なテキストが生成されたので、破滅派に掲載します。 新着 2025-12-05の日記。愛されたい 愛されない同僚と同等の俺 エセー 瀧上ルーシー New 2025 年 12 月 5 日 男の弱さはイケメンじゃなかったらマイナス100点。つまり最高得点0点。プラマイゼロ。 舌 小説 小林TKG New 2025 年 12 月 5 日 ##イグBFC7幻の決勝戦作 舌たたたたたたたたたたたたたたたたたたた あたしの恋人は嘘つき 小説 猫が眠る New 2025 年 12 月 3 日 #ホラー#リアリズム文学#官能 この作品はたしかに間違いなく百合小説なんです。 タグ BL SF ひきこもり ほのぼの アジア オススメ サスペンス シュール テクノロジー ドキュメンタリー ハードボイルド バカ ファンタジー ホラー ミステリー メタフィクション ユーモア ライトノベル リアリズム文学 出版 哲学 夕暮れ 学園モノ 官能 実験的 家族 少女 幻想 恋愛 散文 散文詩 文芸評論 日常 書評 死 海洋 私小説 童話 純文学 自己啓発 自由詩 自虐 貧困 閉塞感 青春 Books 破滅派の書籍 破滅派の通販サイトを見る eBooks 破滅派の電子書籍 ポーランド・ドイツ紀行 一希 零 かのように 今野和人 サークルクラッシャー麻紀 佐川恭一 春を負う 斧田小夜 受賞第一作 佐川恭一 国会議事堂が妊娠して九ヶ月が経過しました。 眞山大知 モロゾフ入門 破滅派編集部 フェイタル・コネクション 高橋文樹 シュトラーパゼムの穏やかな午後 佐川恭一 いい曲だけど名前は知らない 高橋文樹 サティスファクションセンター 眞山大知 かきすて 吉田柚葉、waltz(表紙) 「月に鳴く」をリストに追加 リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 あなたのアンソロジーとして共有したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。 リスト機能を利用するにはログインする必要があります。 "月に鳴く"へのコメント 12件 千本松由季 投稿者 | 2021-09-18 10:29 黒猫を通して、二つの世界、現代の日本と戦時中のドイツとの対比を幻想的な筆致で上手く表現されていると思いました。落ち着いた、いい文章ですね。気持ちが良かったです。他の作品も読んでみたいです。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14569 ログインして返信 小林TKG 投稿者 | 2021-09-20 03:43 つい先日、オール讀物の猫特集の回を読みましてその影響か、猫という生き物の存在が私みたいなもんにもするりと入ってきました。猫ちゃんは液体。黒猫可愛い。猫を飼ってない、飼ったことも無い。将来的に飼う事も無いだろう私にも、猫ちゃんの可愛さは液体の様に入ってきますね。でも黒猫は狙いすぎじゃないでしょうか?いくら幸福を呼ぶとはいえ。私はサビ猫がいいです。すいません勝手な事言いました。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14578 ログインして返信 ヨゴロウザ 投稿者 | 2021-09-22 22:10 はじめまして。 黒猫によって結ばれる二つの情景を連関あるものにするのがワインですが、自分は少々深読みをしてこのワインは洋の東西で起こった虐殺で流された血を暗示しているのかと思ってしまいました。『巨匠とマルガリータ』の中に虐殺で血が流れたあとに豊饒な葡萄が実り、それでできたワインをヒロインが飲むという謎めいた印象的なシーンを覚えていた事も一因かもしれません。なぜそんな悲惨事が美味なワインとなるのか? しかし白ワインとのことで関係なかったでしょうか。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14608 ログインして返信 鈴木沢雉 投稿者 | 2021-09-22 22:57 百年というスケールが繰り返しモチーフとして出てきて、上手くまとまっていると思いました。改行だけでいきなりドイツに飛んだときはちょっと戸惑いましたが、それさえもあまり気にならないくらい構成はしっかりしていると思います。 ちなみに黒猫のワイン、大好きです。黒猫に限らず、ドイツのリースリングを見つけたら条件反射で買ってしまうくらい好きです。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14609 ログインして返信 古戯都十全 投稿者 | 2021-09-23 21:24 盛り込まれたいろいろなネタと合わせておもしろく読みました。今ある生は大量虐殺を含む歴史の上に成り立っているということを考えさせられました。流れるような文章で描かれる現実の平穏な描写は、惨劇の記憶を癒やす効果として書かれたのではないか、というような印象を受けました。 三年後の若干近未来である設定がわかる描写がもう少しあればもっとよかったのではないかと思いました。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14634 ログインして返信 大猫 投稿者 | 2021-09-23 23:38 ツェラー・シュワルツ・カッツ! 甘口で飲みやすいワインですね。猫が背伸びをしているラベルならグリーンのボトルですね。ブルーボトルもあるし、猫型ボトルもあってそりゃもう楽しいんです。なんて、ワイン話に喜んでる場合じゃなかった。 現代日本の階段に寝転ぶ猫、ワイン醸造の滋味深い話の猫。猫は平和と幸福の象徴です。そして月。百年千年の時を越えても変わらぬ月が、戦争虐殺の愚行を繰り返す人間の浅ましさをどう見つめているのだろうと思わされました。 ホロコーストのお題の核心からはちょっと離れているかな、とは思ったものの、読後感がとても良かったです。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14641 ログインして返信 諏訪靖彦 投稿者 | 2021-09-25 16:31 鈴木さんも書かれていましたが、アプリオリな同族嫌悪なる感情と如何に向き合って人生の中でどこまで是正していけられるものなのか考えさせられました。「タペタム」初めて知りました。だから猫の目は暗闇で光るんですね。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14673 ログインして返信 Fujiki 投稿者 | 2021-09-26 00:34 黒猫を媒介として日本のうんちくおじさんとモーゼル川流域の酒売りが接続される。日本は2023年、ドイツはすごくわかりにくいが、トゥルンプの祖父がナチスからワインを守った戦争体験者でトゥルンプの父が戦後蔵を開けた時点で幼かったので1940年代前半生まれ、ということはトゥルンプは70年代後半~80年代前半あたり生まれだろうだから、やはり作中の日本と同じ時代か? 大胆で見事なつなぎ方だが、ナチスから命がけで守り継いだワインがそんな背景などまったく知らない極東のミドル・クラスに消費されるというのも無残な光景だ。猫なんかにかまけていないで、ワイングラスを傾けながらさらなるうんちくを展開してほしかった。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14692 ログインして返信 曾根崎十三 投稿者 | 2021-09-26 09:23 あのワインにはそんな逸話があったんですね。子供の頃、猫の絵を見て意味なく欲しがっていました。 現代日本からドイツに話が変わる時に自分の頭がおかしくなったのかと思いました。それくらいスムーズでした。最後のお食事のシーンで擬音が多めに使われていたのが印象的でした。平和な生活感がありました。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14704 ログインして返信 波野發作 投稿者 | 2021-09-26 09:45 まだ他の作品を全部読んでいないけど、この作品が唯一の星5になると思う。大変よかったです。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14706 ログインして返信 Juan.B 編集者 | 2021-09-27 19:53 黒猫とワインが歴史を超えた物語の味わいを深めている。まだ、その黒猫のワインを飲んだことがないので飲んでみたい。ジュースと誤ってワインを飲んだと言うエピソードは俺もやらかしたことがあるので親近感が湧いた。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14763 ログインして返信 一希 零 投稿者 | 2021-09-27 20:03 わたしも飲んだことあるワインでした。見事な筆致に感服いたしました。ラストにかけての文章が美しく、個人的にとても好きな小説です。 https://hametuha.com/novel/60776/#comment-14765 ログインして返信 コメントを残してください コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。 作品に戻る
千本松由季 投稿者 | 2021-09-18 10:29
黒猫を通して、二つの世界、現代の日本と戦時中のドイツとの対比を幻想的な筆致で上手く表現されていると思いました。落ち着いた、いい文章ですね。気持ちが良かったです。他の作品も読んでみたいです。
小林TKG 投稿者 | 2021-09-20 03:43
つい先日、オール讀物の猫特集の回を読みましてその影響か、猫という生き物の存在が私みたいなもんにもするりと入ってきました。猫ちゃんは液体。黒猫可愛い。猫を飼ってない、飼ったことも無い。将来的に飼う事も無いだろう私にも、猫ちゃんの可愛さは液体の様に入ってきますね。でも黒猫は狙いすぎじゃないでしょうか?いくら幸福を呼ぶとはいえ。私はサビ猫がいいです。すいません勝手な事言いました。
ヨゴロウザ 投稿者 | 2021-09-22 22:10
はじめまして。
黒猫によって結ばれる二つの情景を連関あるものにするのがワインですが、自分は少々深読みをしてこのワインは洋の東西で起こった虐殺で流された血を暗示しているのかと思ってしまいました。『巨匠とマルガリータ』の中に虐殺で血が流れたあとに豊饒な葡萄が実り、それでできたワインをヒロインが飲むという謎めいた印象的なシーンを覚えていた事も一因かもしれません。なぜそんな悲惨事が美味なワインとなるのか? しかし白ワインとのことで関係なかったでしょうか。
鈴木沢雉 投稿者 | 2021-09-22 22:57
百年というスケールが繰り返しモチーフとして出てきて、上手くまとまっていると思いました。改行だけでいきなりドイツに飛んだときはちょっと戸惑いましたが、それさえもあまり気にならないくらい構成はしっかりしていると思います。
ちなみに黒猫のワイン、大好きです。黒猫に限らず、ドイツのリースリングを見つけたら条件反射で買ってしまうくらい好きです。
古戯都十全 投稿者 | 2021-09-23 21:24
盛り込まれたいろいろなネタと合わせておもしろく読みました。今ある生は大量虐殺を含む歴史の上に成り立っているということを考えさせられました。流れるような文章で描かれる現実の平穏な描写は、惨劇の記憶を癒やす効果として書かれたのではないか、というような印象を受けました。
三年後の若干近未来である設定がわかる描写がもう少しあればもっとよかったのではないかと思いました。
大猫 投稿者 | 2021-09-23 23:38
ツェラー・シュワルツ・カッツ!
甘口で飲みやすいワインですね。猫が背伸びをしているラベルならグリーンのボトルですね。ブルーボトルもあるし、猫型ボトルもあってそりゃもう楽しいんです。なんて、ワイン話に喜んでる場合じゃなかった。
現代日本の階段に寝転ぶ猫、ワイン醸造の滋味深い話の猫。猫は平和と幸福の象徴です。そして月。百年千年の時を越えても変わらぬ月が、戦争虐殺の愚行を繰り返す人間の浅ましさをどう見つめているのだろうと思わされました。
ホロコーストのお題の核心からはちょっと離れているかな、とは思ったものの、読後感がとても良かったです。
諏訪靖彦 投稿者 | 2021-09-25 16:31
鈴木さんも書かれていましたが、アプリオリな同族嫌悪なる感情と如何に向き合って人生の中でどこまで是正していけられるものなのか考えさせられました。「タペタム」初めて知りました。だから猫の目は暗闇で光るんですね。
Fujiki 投稿者 | 2021-09-26 00:34
黒猫を媒介として日本のうんちくおじさんとモーゼル川流域の酒売りが接続される。日本は2023年、ドイツはすごくわかりにくいが、トゥルンプの祖父がナチスからワインを守った戦争体験者でトゥルンプの父が戦後蔵を開けた時点で幼かったので1940年代前半生まれ、ということはトゥルンプは70年代後半~80年代前半あたり生まれだろうだから、やはり作中の日本と同じ時代か? 大胆で見事なつなぎ方だが、ナチスから命がけで守り継いだワインがそんな背景などまったく知らない極東のミドル・クラスに消費されるというのも無残な光景だ。猫なんかにかまけていないで、ワイングラスを傾けながらさらなるうんちくを展開してほしかった。
曾根崎十三 投稿者 | 2021-09-26 09:23
あのワインにはそんな逸話があったんですね。子供の頃、猫の絵を見て意味なく欲しがっていました。
現代日本からドイツに話が変わる時に自分の頭がおかしくなったのかと思いました。それくらいスムーズでした。最後のお食事のシーンで擬音が多めに使われていたのが印象的でした。平和な生活感がありました。
波野發作 投稿者 | 2021-09-26 09:45
まだ他の作品を全部読んでいないけど、この作品が唯一の星5になると思う。大変よかったです。
Juan.B 編集者 | 2021-09-27 19:53
黒猫とワインが歴史を超えた物語の味わいを深めている。まだ、その黒猫のワインを飲んだことがないので飲んでみたい。ジュースと誤ってワインを飲んだと言うエピソードは俺もやらかしたことがあるので親近感が湧いた。
一希 零 投稿者 | 2021-09-27 20:03
わたしも飲んだことあるワインでした。見事な筆致に感服いたしました。ラストにかけての文章が美しく、個人的にとても好きな小説です。