マックス・ブロートという編集者は、親友の小説を編纂するに当たって、その順番に関して想いを巡らせた。そして、彼がさんざん頭を悩ませて決めたその順番さえ、後世の研究者たちはいちゃもんをつけた。著者本人に頼まれた男が、異端扱いを受けているのだ。それもこれも、その著者が大の人気者だということによるのだろうが。
さて、この書物の第四編となるノートは、前出の三篇とは少し異なる。
いわゆるルーズリーフである。つまり、一冊の定義が曖昧なのだ。十枚程度にまとめられた短編がクリップで一まとめにされている。それがいくつか集まって、一つのファイルに閉じられている。
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