中央公論新社主催の「第59回谷崎潤一郎賞」を津村記久子の『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)が受賞。

 「谷崎潤一郎賞」は中央公論新社が創業80周年を記念して1965年に創設。明治・大正・昭和を通じて、幅広いジャンルで活躍した谷崎の業績にちなみ、時代を代表する優れた小説・戯曲を顕彰する。

 同書は2021年7月から1年間、毎日新聞で連載された。しゃべる鳥ネネに見守られながら18歳と8歳の姉妹と彼女たちと助け合い、支え合う人々の40年を描いた長篇。今年7月には「本の雑誌」(本の雑誌社)が選ぶ「2023年上半期ベスト10」の1位にも選ばれた。

 選考委員の池澤夏樹、川上弘美、桐野夏生、筒井康隆、堀江敏幸による選考会が8月21日に行われた。

 賞金は100万円。贈賞式は、10月19日に都内で開催される。

 なお選評は、10月10日発売の『中央公論11月号』に掲載される予定。ちなみに昨年は、吉本ばななによる短編集『ミトンとふびん』(新潮社)が受賞している。