破滅派では現在、様々な人が参加すると同時に、盛んに破滅派と言う枠を超えて活動する同人も多い。昨年も破滅派の活躍について特集したが、今回は2020年前半期の活躍についてまとめて紹介したい。コロナウイルスの広まりで自粛や萎縮が広まる中で、破滅派同人はどのような活動を行ってきたのだろうか?
1月
・小説すばる2月号に高橋文樹・佐川恭一の小説が掲載
1月17日に発売された小説すばる2月号に高橋文樹と佐川恭一の作品が同時掲載された。同号には北野武の作品も載っている。世界のキタノは、高橋と佐川をどのような目で見たのだろうか。
・『情況』2020年冬号より、髙井ホアンの連載が開始
変革のための総合誌『情況』で、髙井ホアン(Juan.B)の連載が始まった。自著『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』に関連し、戦前の庶民の言動に着目した連載となっている。是非お買上の上ご覧頂きたい。
・高橋文樹『とどめの一滴』がキューバのオンライン文芸誌「Korad」35号に掲載
今年も、カメイトシヤ氏の翻訳協力のもと、破滅派の海外進出は止まらない。その第一歩はなんとキューバであった。
・藤井太洋・高橋文樹「中国(成都)国際SF大会等報告」を開催
HON.jpの主催で、1月24日にアジアのSFシーンを紹介する報告会が行われた。
2月
・続く破滅派の海外進出
2月頃よりコロナウイルスが日本にも身近なものとして迫ってきた。だが、2月だけでもこれだけの作品が、海外に姿を現した。
・髙井ホアン『不敬発言BAR VOL.2』が阿佐ヶ谷ロフトで開催
不敬発言BARの第二弾が阿佐ヶ谷ロフトで開催された。この後も髙井ホアンは様々なイベントに関わって行く事となる。
・髙井ホアンが下北沢の「BOOKSHOP TRAVELLER」を訪問
noveljam2019でチームEヨに和氣正幸賞を下さった和氣正幸氏の書店カフェ「BOOKSHOP TRAVELLER」(@Bst_BSL )にお邪魔し挨拶しました。急の来訪にも関わらず歓迎して頂き感謝します。
一棚書店を眺め書店旅行。その中には波野さん等オルタニアの書架も。
ありがとうございます。#noveljam#チームEヨ pic.twitter.com/XD0SbXmLdH— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) February 24, 2020
昨年開催されたNovelJamに関連し、髙井ホアンが和氣正幸氏に挨拶した。
3月
・阿佐ヶ谷ロフトAで「宗教アニメを観て学び、コロナウイルスの対策を練る会」開催 髙井ホアンも出演
様々な不安が社会を覆う時こそ、芸術の力が発揮される。これはその変化球的なイベントである。
・「徳島文學第3号」に佐川恭一『踊る阿呆』完全版が掲載
佐川恭一を通してどの様な徳島を知れるのか。是非読んで頂きたい。
4月
・書肆侃侃房の文学ムック『ことばと』、小説すばる5月号に佐川恭一の作品が掲載
前月に続き、佐川恭一の活躍が著しい。「ことばと」には千葉雅也や又吉直樹も作品を掲載している。
・変革のための総合誌『情況』2020年春号に髙井ホアンの記事が掲載
『情況』は季刊なのでペースはゆっくりである。しかしその代わり、非常に濃密な内容となっている。この号も、白井聡責任編集としてコロナに関する様々なタブーを破る号となっている。
・『JAPANESE FANTASY DRABBLES』が販売開始 髙井ホアンも参加
日本の様々な怪異を扱った英語100文小説集が発売となった。髙井ホアンの作品も3作品掲載されている。
・高橋文樹の小説「いい曲だけど名前は知らない」が翻訳文芸サイト「Asymptote」に掲載
高橋文樹の小説「いい曲だけど名前は知らない」がAsymptoteに掲載された。
・「破滅派同人がオススメする新型コロナのはびこる今こそ読みたい本」を紹介
破滅派の総力を結集し、コロナに苦しみ本に飢える人々へ向け、同人のオススメする本を紹介した。お役に立てただろうか。
5月
・ロフト配信イベント「ディストピアの歩き方」に髙井ホアンも出演
街に蔓延る様々な「ディストピア」感を探るイベントに髙井ホアンも出演し、怪文書などを紹介した。また、破滅派の最初期にインタビューした外山恒一氏が高円寺で「一人飲み」をしていたので帰りに会いに行き、破滅派の最新号を献本したが、外山氏は破滅派の事を忘れている様だった。無念。
・髙井ホアンと波野發作の作品が海外サイトで掲載
カメイトシヤ氏の翻訳により、髙井ホアンと波野發作の小説が海外サイトに掲載された。どちらも好評となっている。
・ロフト配信イベント「不謹慎ゲームとは何か?」に髙井ホアン出演
髙井ホアンが危険なイベントを行った。内容についてはあまり口外できないが、かなり異様でありコメント欄の評価も好評であった。またやりたい。
6月
・谷田七重、大猫も参加の『海響』が発売
文芸誌『海響』が発売された。テーマは「大恋愛」である。芸術の半分を占めるとも言えるこのテーマに、谷田や大猫始め人々はどう立ち向かったのか。是非読んでみたい。
・波野發作の小説続編が掲載
前月掲載された小説の続編が、オーストラリアの文芸誌「AntipodeanSF」に掲載された。ハサック・ナミノフとカメイトシヤがいかに評価されているかが分るだろう。
・高橋文樹のSF小説「ラッシュ・ブラッド」が、米文芸誌『Mount Hope』に掲載
高橋文樹のSF小説「ラッシュ・ブラッド」が、アメリカのロジャー・ウィリアムス大学の文芸誌『Mount Hope』に掲載された。海外では大学を核にした文芸活動も盛んに行われている。
以上、2020年前半における破滅派の活躍の軌跡を紹介した。今年の後半も破滅派と同人の活躍に期待である。コロナウイルス騒動により先が良く見えない情勢ではあるが、この様な時こそ文芸の持つ力を発揮できるだろう。
そして、破滅派はいつでも同人の参加を待っている。偶然の出会い、知人による紹介、(Juan.Bの様に)規制と放浪の末の漂着など、様々な人々が様々な形で参加でき、そして積極的な意義を担えるのが破滅派である。後ろ向きのまま前に進め!
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