「眼鏡のない国から」のスペイン語題は “DESDE UN PAÍS SIN GAFAS”。翻訳者はこれまでも多くの破滅派同人を世界デビューさせてきたカメイトシヤ。通算で五人以上がカメイの手によって海外に紹介されてきた。

「眼鏡のない国から」は創作サイト言葉〜i-you〜で公開された作品。このサイトはチーム制小説即興創作イベントNovelJam’\[dash] 2019の成果を受け、同イベントで発売された髙井「キノウの村」およびチームメイトおおくままなみ「キボウの村」をプロモーションするために作られた。「眼鏡のない国から」はそのプロモーションの一貫として書かれた掌編小説である。

髙井ホアンはNagari掲載のプロフィールにもある通りパラグアイ人の母を持つ「混血」であり、自身もスペイン語を理解する。今回はカメイという翻訳者の助けを借りて、故郷南米に錦を飾った。『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』といったノンフィクション作家としての名を知られる髙井ホアンだが、闇の混血ハーフ小説家としてその名を知られる日もそう遠くなさそうだ。