今月は新潮、文學界、群像、すばるの4誌が発売された。4誌の概観をここで紹介しよう。
新潮 2026年6月号
・野田秀樹による【戯曲】「華氏マイナス320°」が掲載。
・【創作】では、竹中優子「水をなぞる」が掲載。筒井康隆による掌編「飛び降り心中」、高山羽根子の【連作】「ヘルメスの毒」がそれぞれ掲載。
・「第50回川端康成文学賞」は古川真人『近づくと遠ざかる船』。選考委員である荒川洋治/角田光代/辻原登/堀江敏幸/村田喜代子による選評も。
・【対談】では、上野千鶴子×ナンシー・フレイザー「日米マルクス主義フェミニスト、相見える」(モデレーター:國分功一郎)。聴講記:仁科斂。
文學界 2026年6月号
・【2026年上半期同人雑誌優秀作】は、杉森仁香「1-25底」。
・【創作】では、筒井康隆による著者初のハードボイルド・ミステリ「殺し屋はデトロイトから来る」、鈴木涼美「悪い血」、奥野紗世子「敗北」、福海隆「ある乳化およびその柔らかい構造」、小林エリカ「なんかちょっとすればよかったってことがあるのね」。
・【小特集】「ブックデザインのこれまでとこれから」として、大久保明子×川名潤による対談「二十八年後の報告会」、インタビュー「小沼宏之・??田あすか ブックデザイナー新世代」(聞き手・文 宮田文久)が掲載。
・江國香織×金原ひとみによる新連載「往復書簡」、コナリミサトによる新連載「酩酊クラフト」がそれぞれスタート。
群像 2026年6月号
・創作では、井戸川射子「天使」、くどうれいん「静かなほうの岸」、乗代雄介「パスタ日和」がそれぞれ掲載。
・【小特集・古川日出男と新しい文学の探検】として、野谷文昭×古川日出男による対談「垂直の想像力 未開の地を探して」、石沢麻依による書評「時間と空間を越境し、歴史を憑依させる者たち」、古川日出男によるエッセイ「そこに誰かがいる」。
・「第69回群像新人文学賞」は、永田修矢『骨と鎖』と冬島いのり『夏蚕の翅』がそれぞれ当選作に選ばれた。受賞者による受賞の言葉と、選考委員の朝吹真理子、島田雅彦、藤野可織、古川日出男、町田康による選評も併せて。
・いとうせいこう×みうらじゅんの新連載「見仏記」がスタート。
・連載では、大澤真幸「〈世界史〉の哲学」、向坂くじら×紗倉まな「ふたりのための往復書簡」、高橋源一郎「オオカミの」、武田砂鉄「誰もわかってくれない――なぜ書くのか」、立川小春志「ストーリーワイズ」、戸谷洋志「丁寧な暮らしの哲学」がそれぞれ最終回を迎える。
すばる 2026年6月号
・【『劇場という名の星座』刊行記念対談】として、小川洋子×河合祥一郎「死者に出会える場所で」。
・【小説】では、井上荒野「良かった探し」、ピンク地底人3号「おもちゃの指輪がほしいねん」。大石恵美による戯曲「袋破裂」「バーのおっさん」。
・【岸田國士戯曲賞受賞対談】として、蓮見翔(ダウ90000)×大石恵美(ダダルズ)「演劇を変えていくのは誰か」。
・「第十一回渡辺淳一文学賞」受賞作は、高瀬乃一『天馬の子』。
・「第四十一回詩歌文学館賞」受賞作は、小林坩堝『落下の夢──vergissmeinnicht』/春日真木子『宇宙卵』/西村和子『素秋』。
以上、今月の文芸誌読みどころを紹介した。読書の一助になれば幸いである。

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