朝は焼く
白煙を昇らせながら
無限の遺骨を
消える!
誰かが誰かを見つめたあとで
白目を剥いて 泡を吹き 唇は青く
この世に縋りながらも
ベッドに縛りつけられ
重力に押さえつけられながら
食事と排便
もうそれしかできなくなっても
朝は生かす
その者も含めて
朝は晒す
夜半の死を 照らす
朝早く
うまれる光と善と
昨夜から生き残った
悪とを区別せず
同等に愛すること
悪徳に裏切られても
それがなんだというのだ
私は朝
目覚めることができるのだから
一つ言っておく
目覚めた時 それが朝である
深夜に起きる者たち
それも朝である
朝は待っている
君らを
照らす時が来るのを
その時刻がたとえ夜だと人から嘲笑われても
朝は焼く
次の朝のために
みずからを
焼く
日付が変わった瞬間
新しい導火線はまだ幼い朝に結ばれる
酔っ払いたちの
立小便や
吐瀉物をよけながら
導火線はこの町でも どの町でも
自然着火する
そして朝に引火して
朝は朝を焼く
ナパーム弾を知らぬ私が
朝の焼かれる予感の音で
目覚める
牛乳でなく
ドデカミンを飲む
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