何人もの無邪気が勤勉におままごとを授ける。言葉は恨めしく迎えるから〝かんがえていて〟(忘れ去られた星星に/ひらいていて/目を閉じた黒猫が時折、それにこたえた)
巨大な風船が空に浮かび、その影ばかり地面を滑り落ちる。中空から晩景へ「砂のために、波のために ふれたようにみたように/象り」そのハンカチの眼差しは、なまえを思い出そうとするでしょう
上空で交わる飛行機では中心に引いて残る渦を掃き、浮かぶ回想を引き寄せ、そこにまたちいさく進む中でもありました。凍てついた儚さにつり合いモノクロの喧騒の内側で星座ひとつ てぶくろを手に取り。轍のあととして、総称。ある分かれ道に差し掛かり、吹き始めたハモニカ。
そもそも一体は灰のリボンが吹き抜けること かくれもない エコーだけ、物忌みして擦り合わせて、それらめにして、こヤマを作るほどの石がないくせに そんなつもりでは。山間から耳までかぶさるしろい帽子に、糸のように細くながく、さしさわり火もあがく、この、おぼろげに軽率なかかとを見あげ――迷路地をふみつける
そうなって紙片の上で夜気を凍らせる。なんどでもなんどでも象形を堕胎する/虫がすだく/小刻みな野に畑に溶け出してしまう単純に。みぞれまなじりのだだっぴろい沈黙が降る、春から過ぎ去ってどうしようもない夏へと。雨があるのにすぐ渇いてしまう、よいひがら
ひとつの花は2つのセイを有したこと〈房/棟/涎/便〉
それだけの包含図に/昼光色のもとで。ここは
(おおく御座いますがねぇ)けたたましく生きようとしていた
遮られたものをイロガミで折ったとこに、重なり合う黒いコオロギやとけだすイチョウの肌理も。それらシルエットを積みあげていく。星屑も風車 街灯も鳩時計。過度の隅にこれらからだにまとわりついて やっぱり傷ついたために目配せしてさ。水彩アートに 最初のゆきが青い指紋の裂け目から感染する。そして息が白く変わるときに、いつの間にか見えなくなるのに、古い頭痛の網にかかって、ざらつき残った都市サーカス
いまに残った。――しばらくね
むきだしのエモさに余地がある、鉄塔の並ぶ街で 不規則な色彩で
はてないお姿して 浅いんだな 風景だけ集めて
衣服はやっぱりありのまま、閉じ込められたわくらばは条件によって霧状に、ごっそりととりあげる 光を、遮ることによって感染る そのままのかたちを、連れているという。私は、
この国が好きではない。そばかすだらけの、ずぶ濡れのそいつが足跡でした
ぬるいビールをほとびる喉と、ただ流れおちてね
一箱三㌦のコンドームにセーブデータであれば、縮まったコントラストのように 埋もれ木として雲をつくばかり。けれどもその高さで締まりもなく 白い小花が雑な草から湧いて出た、はっきりしたものを見ることができるなら、
ヴェルヴェットの冬の訪れは 薄膜ではきっと伺うようす。手を加えるだけの わすれじの溜息で。先割れスプーンで、折れた思考をほじくり、と口を開くたびに、心音を濁した処方箋を宿した、ベンチの切り株に座って 明日をひこばえと名付けてしまいたい。ひとつのこたえを、
わたしとひいでたところで、わたしの陽が潤んでいた
自然にも焦げるようにかくして漂い、も一度思い浮かべたら
かんたんに示された/倣わしだった/いま。なにがあったか
――夢をみる暗記も、できない昼下がりに列車を みおくるだけの空甘く、濁る黄金のさざなみの、一艘をかき分ける それは、骨がただ音を捨てたシキ陶酔だろう。
ひきつづきとおく/くりかえされてこれから、
まぶたはあかくなるのかしら。閉じられた月、
まとった水底に続いていく個々に、六つの星が見える/うみむこう
、座。
空っぽの窓だけが受けとめられるほど痛々しい銀河のひとつ。声も届かない距離があるけれど、これらモザイクタイルの鏡像にあり 異なるカタチを匂わせて。不釣り合いのメモの背後には、水増しされたはたらきは、
すべてのものより低い声で 重なりあったSNSで。動画やこの雨音で書き添えられた写真などが さいごの頁を受け入れました。さて吟遊詩人の着物や 海水の泡立った力なり、浮き上がらせて羽車 ずっと衰える帯なり。黒い脚が鱗粉 霧白昼の沼、手の平をかすめ瑪瑙の濡れた光を移すあまりに。強ばった古い結び目と、口を空いてみる 水環のために
他愛もない暮らしぶりに おひさしぶりに
ばかばかしいにも、またね。
おもてむき、果物の憑依は恋
思い上がったような、さりげなく物寂びる
嘘からとらえた珊瑚になっても
鵜呑みにいただく笏と杓が、ならシーグラスと雨蛙
――なら、
その観劇は下手な海上を吹く風も書物をまわし読む 希少な結果であり、きらびやかな概念でありますが
吐き出した物を覗き込んでみた者ものの、いじらしきは衝動を庭先に追い散らかす薄墨の、付け込むことも縋り付くことも。太く緩やかに吐く息、溢れてあるかないかというには 凛と軋みに巡るといい
だれがあでかになぞるようでも、遠のいてく――あいだは土であり。どこか隠されたガーゼが 絞られた蕾は明かり 透かした気がする裸虫に似て、ふっつりとした凪であり
怪訝そうに睦みあった体鳴楽器
標的を刻み(せぐりあげてくる)激しく/あしらわれたはらわたまで/鉛筆で札束から下着までたらふく。色濃く悶えた人生の〝惑星の内腔〟全巻を結わえて吸い、やさしさに溺れ得る
呑み込めないよまわりを哥い上げる(声なき声で)縮んでゆき/沈静していく空気が、荒涼たる感覚を〈超える/乞える/恋える〉ときに 細くて か弱いこと。今に/本当に飛び込めそうで/嘆き。ちからをいれて 隆起させ すがって生きること
天国へはいるために、包み隠さずすっかり打ち明けるなら、ヒトがあるようにモノがおるように、隔てるのかもしれない。では細工のひとつを終えた説明を。待合室は、裏手からどうぞ――後ずさることとは本当に恐ろしいのです
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