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The Cookbook 第1部 アナテマ/Anathema その2(球根の溶き卵スープ)

The Cookbook(第8話)

鈴木(仮名)

究極のレシピ「アナテマ/Anathema」をメグル生と死の乱
その2

タグ: #ファンタジー #ユーモア #哲学 #散文詩 #私小説 #童話 #自由詩

詩

3,156文字

巴果墓の胸ムネに2勃ふたつの渦気影が露あらわれた

 

奇し比クシビが梳とう
「能よく心ココへ野掘のぼれ真下ました根ね」

 

対こたえる
自分わたしの誕生日たんじょうびに墳墓へ頂のぼりました
初その最さいに

神籬ヒモロギの非時香菓トキジクノカグノコノミを記念きねん録画ろくがしたら
園その時間じかんが
緩ゆっ繰くりと超こわれて異いたので
樹吊きづき真下ました

 

奇し比クシビ

「避閉ひとりで?」
「今日きょうは扉閉ひとりですか?」

 

いいえ……

 

いや
比盗ヒとりで鬼キました

 

奇し比クシビ
「手ては生癒えました花か」

 

奇霊キレイに無ナ檻オリました

 

奇し比クシビ
「讔ナゾは梳とけました香か」

 

兎毛トケました
雨女ウメの2羽兎ニワトリを霊ひと吊つに生うつ死飛しとり真ました
「すい」は夏なつ日かしい奥津城記憶の蔵くらに蟻アリ
園蔵そのくらの射いし弾だんは蛆腐そふに夜より蛇ヘビの突つき死し床ところ
呑霊のちに怖ふゆの星ほしを矢しる夜よる
詛負そふは果はた華けに俯ふし手折たおれ田た
詛その死しから飛ときが立たち忌いま蛇だに呑ノロ我われ糸しも
詛負そふの突つみを苦くい隠カク悟ゴして波ナミ蛇ダを長ながし
撫ナゼ果かや代シロに申もう出でました
瘴しょう月がつの無むい花かに逢あな田たは蛆それを引ひき誓うけた
音おとと詩しの七夕たなばたに夢ユメを巳みました
鎖くさりに綱つながれた織オン名ナを草凪クサナギの原はらへ連つれ蛇だすと
もう一いっ引ぴきの尾オ床トコを巳みつけて眼ま尻じり
卵タマゴを卯うみました
鶴ツル亀ギは櫛クシでした
鳴ナゼ蚊カ
得うる生せい
鳴なな角ツノの星ほし
鳴なな角ツノの虫ムシ
鳴な夏ナツの虫ムシ
波凪ナナつの櫛クシ
名な捺なつの櫛クシ
名引ナビく櫛クシ
夏なつ日かしい呼こえ

 

奇し比クシビ
「呼こっち来こえ」
「童子ワラシ」

 

五いつつよりも前まえまだ人ひと里りだった児ころ
何なんで失しったのか藁稭ワラシベ長者ちょうじゃを招マネ手て
山さん歩ぽに出でた
山やまの無ない平野へいやなのに
景色けしきは絵本えほんの中なかの山やまだった
手てに糸した藁稭ワラシベは
もう肥ひとりの祖父おじいちゃんが綯なった稭縄シメナワの残のこり
家ウチの裏庭うらにわに刈かり穫とったあとの藁ワラが積つんであり
亡なき肥ひとりの祖父おじいちゃんは生前せいぜん
家ウチに季きては能よく粗その藁ワラで稭縄シメナワを綯なって居いた
祖それを観みながら自分わたしは香かた藁ワラで遊あそんで居いた
実みの里りの秋あきとは言いっても
児こどもには暑あつい夏なつだった
もう肥ひとりの祖父おじいちゃんは
萎いく錆サビの織おりは大陸たいりくに征いっていた争そうです
自宅おじいちゃんちの神棚用かみだなように
稭縄シメナワを己でみずから綯なう奇特きとくで柔やさしい肥ひとでした

祖のムスコおとうさんも他界たかいしましたが
今いまでも祖のムスメおばさんは
御馳走ごちそうと逢あな田たの託コトづけを

それとは知しらずに持もって
家ウチに星ほしナンバーの車クルマで亀キます

……
遊あそび鴉アきた児こどもの自分わたしは
藁稭ワラシベを手てに糸して人ひと里り出で
山やまの中なかを昼間ひるまに真夜まよってしまった
田たんぼに

泥濘ぬかるんだ用水路川があって
紅あかいエビガニが居いた
蛇を終た詛負の弟おっちゃんから
蛙カエルを餌エサにしたエビガニの釣つり方かたを
教オソわった事コトがあり
藁稭ワラシベを釣つり糸いとにしてエビガニを釣つろうと思した
でも人ひと里りで蛙カエルを虎ころした事コトが無なかった
藁稭ワラシベを片手かたてに握にぎり糸しめて蛙カエルを追おい
もう片方かたほうの手てに虎トラえたけれど……
なんだか虎ころせ鳴なく手て
泣ないてしまった
蛙カエルを放ハナすと
用水路川の向むこう岸ぎしへ跳とんだ
自分わたしも跳とんで遊あそんだ
溺おぼれるという経験怖さが無なかったから……
泥濘ぬかるむ岸きしを彼あっちへ此こっちへ
幾度いくども跳とんだ
もう一度いちどと踏ふみ込こんだとき
素足あしの裏ウラをナニかが滑スり泥ヌけて
兎とっ去さに片足かたあしを嗚アげ
バランスを崩くずした死界目に美うつったのは
愛めずらしい死シロい蛇ヘビだった
まだ蔵くらくなる七年ナナねんも前まえの事こと
片手かたてに藁稭ワラシベを握にぎり湿しめたまま
用水路川に落おぼれた
呼こえもなく死頭しずんでは生うく視海目の岸きしに
いつの間まニカッ
紅くれないに美みを包つつむ知しらない若い娘おねえさんが屈かがんで居いた
握にぎり糸メ〆手ていた藁稭ワラシベを若い娘おねえさんに伸のばした
若い娘おねえさんも手てを伸のばして藁稭ワラシベを握にぎった

 

奇し比クシビ
「男おの子こなら起たて」
「真夜まような底ソコは朝あさいぞ」
「童子ワラシ」

 

朱あかく天そらが初そまる鴇トキ
泣ないて起たつと
若い娘おねえさんが
「呼こっち来こえ」
「童子ワラシ」
「泣なくな」
「呼こっち来こえ」
「童子ワラシ」
「泣なくな」と
苦楽くらく紅くれる未知みちを
立たち止どまっては幸さきを明あるき
対ついた咲さきは香かくれ郷ざと
もと来きた自分わたしの家ウチではあったけれど
もう人ひと里りではなかった
初それからの人生くらし
彼女おねえさんは自分わたしが真夜まよう旅たびに止しんで紅くれた

 

奇し比クシビ
「鬼オニの角カクれ里ざとだったの鴨カモ……死しれませんよ」

 

葬そうかも死しれない

 

歩ほどなく肥ひとりの祖父おじいちゃんは他界たかいした

 

奇し比クシビ
「いいえ」
「逢あの日ひの前まえには既すでに」
「童子ワラシが遊あそんで居いたのは過去かこの影かげの想そば出で」

 

過去カコの影カゲ……
奇し比クシビの面カオに食くい入いる

 

落おとと死しの波はるの彼岸ヒガンに黄キづくべきだった
弱水ヨワノミズが千ちいさな羽うずを巻まき舟フネを呑のみ虚無こむ
千ちいさいけれど羽うずを巻まく故ゆえに安歩あぶない

 

奇し比クシビ
「今際いまわ渡ワタれないけれど松マッて」

 

と……
誰ダレかが言いった
末マツと
羽うず巻まく弱水ヨワノミズが干ヒき
湿しめった洲スな地ちを度ワタり
磐イワの島シマに津ついた
度ワタる朱鷺トキに
逢あな田たに2似た郭公ホトトギスと好スれ近ちがった
黄キづくべきだった
磐イワの島シマの護ゴツ護ゴツとした硬カタい凹クボ地ちに
比ヒとつの奇クロくて真まん丸まるい
手てに余あまる大おおきさの石イシが逢あった
持もっては見ミたけれど
藻モとの凹クボ地ちに沖戻オキもどして帰かえった
湿しめった洲スな地ちを度ワタると
また羽うず巻まく弱水ヨワノミズで路ミチた

 

奇し比クシビ
「非時香菓トキジクノカグノコノミ」
「なぜ返カエして帰かえったのですか?」

 

なぜ……?
なんでだろ……
……ああいう場所トコでは
ゴミ以外いがいは持もち帰かえっちゃいけないって
誰ダレかに教オソわったから……かな?
解ワカらない
理由りゆうは無ナい
習慣シューカンで……

 

奇し比クシビに
ニカッと童ワラワれた

 

奇し比クシビ
「黄キづいていたら」
「奇色キイロい非時香菓トキジクノカグノコノミを手てに見ミた事コトでしょう」
「奇クロい香の菓コノミを持もち沙汰去ったなら……」
「洲スな地ちを度ワタり生得おえる前まえに弱水ヨワノミズが路ミチて……」

 

忌イま心ココには居いなかったのか

 

名無ナナしの年としに蜂ハチの夢ユメも2フタつ未満みました
逢あな田たに2似た郭公ホトトギスと結ムスバレて
背せ剣けんから被ヒ毒ドク罵ののしられ
閃光フラッシュを焚たかかれ幕マクり魘ウナされて悪起オキた
目めが褪さめても
閃光フラッシュの明滅めいめつが縛シバらく眼めに残のこって射いた
もう被ヒ突トツは
駅えきに降おりてから公園こうえんを歩あるいていたら
蜂ハチの武ムレに恐オソわれた

 

他界たかいした祖母おばあちゃんが遺いっていた
あの部屋へやには蜂ハチが出でるって

 

日曜日にちようびの薬クスリの意味イミは解ワカりますか?

 

奇し比クシビ
「奇クす梨リですか?」

 

御薬袋ミナエクリコ

 

奇し比クシビ

「イズレ遭あうコトにナルでしょう……」

 

碑文ヒモンは?

 

奇し比クシビ
「ペルセポリス」

 

パズス

 

奇し比クシビ
「……サイダー」

 

あの花ハナ……

 

では
碑ヒ文フミと言いったら?

 

奇し比クシビ
「有りの実ナシ」

 

そして丁字路ていじろで有実ユミを渡ワタされた
有実弓矢ヤの結実ユミです

 

名無ナナしの年とし
夢ユメの仲ナカで一緒いっしょに署名した結ばれたのは
逢あな田たでしたか……

 

これも名無ナナしの年とし
雪ゆきの如月キサラギ朔ツイタチ
真まっ新さらな櫛クシを持って古ここに嬉キました
そして古ここで奇クロ猫にゃんこに遇あうのは初はじめてで
撫ナでた

 

虚きょ年ねん
いつも朋トモに居いる……はずの彼女カノジョと賭かけをして
自分わたしが負まけたら
縁結えんむすびの御お守まもりを買かうと約束やくそくした
古ここを彼女カノジョは避退ヒドく嫌キラっているのにね……
結果けっかは猫にゃんこ総動員オールスターズ
猫にゃんこに始はじまり猫にゃんこに終おわる猫にゃんこ塗マミレで

自分わたしの完敗カンパイ
縁結えんむすびの御お守まもりを買かわされて
オマケに玉虫タマムシまで飛とんで来きた

 

奇し比クシビ
「……(笑わら)」

 

でも
オンナが……まったく寄よりつかないんですよ

 

この芸能人娘が好このみだと言いっただけでも
その芸能人娘がオトコ関係カンケイで
クリティカルヒットCritical Hitする……

 

奇し比クシビ
「それは好このみがビッチbitchなだけ」

 

え?

 

奇し比クシビ
「己ワタシは姦計カンケイしていない」
「多々タダのビッチbitch」

 

でも虚きょ年ねんの夏なつ
古ここに来きた翌日よくじつに
緑のカーテン被写体5ゴーヤーが
トツゼン枯かれたじゃないで……

 

奇し比クシビ
「ビッチbitch」

 

で……
年末くれに
ぅう……

 

奇し比クシビ
「何度ナンド言いえばゎか……」

 

逢あな田たの
いい夫ひとって誰ダレですか?

 

奇し比クシビ
「……」

 

逢あな田たの苦死クシを
児この手てに糸した藁稭ワラシベと
鳥トリ交かえて紅クレナイか
紅糸クシの姫ヒメさま

 

奇し比クシビ
「童子ワラシ」
蛙アの童子ワラシが童子オニに成なって海ワタ死シを盗とりに鬼キたか
「逢アの童子ワラシが……」

 

犯オカしいです花か?

 

朱あかく天そらが詛ソまる賭機トキです

 

奇し比クシビに面ツラなる郭公ホトトギスを渡ワタしの夜目ヨメに
郭公ホトトギスを夜目ヨメに紅クレ
明あき篠しのの目めの娘ムスメよ姑獲鳥ウブメのように梅ウメ樹き
渡ワタしと艫トモに待まちを出でて野のに宿やどり
大おおいなる引果リンゴに湯気ゆけば
園常そのトコろで郭公ホトトギスは梳スくわれる
奇し比クシビは園常そのトコろで
渡ワタしと郭公ホトトギスを敵テキの手てから贖あがなわれる
去年こぞなき星ほしの手てに洗アラわれ湯ゆく過去カコなり郭公ホトトギス
去こと史しを野のが背羽せば
渡ワタしの放ホカと結ゆく逃のなら
郭公ホトトギスの負おいつ追おわれつ常トコ死しえに

 

奇し比クシビ
「和ワれ節フシの結ゆえに死シのの目メの理断り無ナシ」
「唯タダ一ひと好スじ結ゆく生ナり」

 

差さし伸のべた藁稭ワラシベを奇し比クシビが和ニギった
奇し比クシビの苦死クシは紅糸クシに梳スく和ワれた

 

奇し比クシビ
「蛙カエルすらも虎ころせないのだから」
「呪詛ジュソが成ナる道理ワケもありません」

 

奇し比クシビ
「また童子ワラシの負まけです」

© 2023 鈴木(仮名) ( 2023年2月27日公開 )

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