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ちょっピリほろ苦いチョコレートのレシピ「その13」

The Cookbook(第5話)

鈴木(仮名)

ちょっピリほろ苦いチョコレートのレシピ
その4

タグ: #ファンタジー #ホラー #ミステリー #哲学 #散文詩 #私小説 #童話 #自由詩

詩

881文字

常夜とこよに2人ふたりの女性じょせいが居いて、
その1人ひとりが添そい寝ねをしてくれた。

 

寝ねている背中せなかを白しろい狼おおかみのような犬いぬが駆かけて、
目めが褪さめた。

 

今日きょうの娜娜ナナは、
豊穣ほうじょうと収穫しゅうかくを帯おびていた。

 

死出しでの餞はなむけにと、
幣ぬさをくれた。

 

門出かどでに花はなはなく、
子この陰嚢ふぐりに似にた蟷螂とうろうの卵たまごが見下みおろしていた。

 

破はれ間まも見みえる走行中そうこうちゅうのフロントガラスに、
微かすかな霙みぞれが音おとを立たてていた。

 

この前まえに外出がいしゅつしたのは、
初詣はつもうでだった。

 

郵便局ゆうびんきょくへは徒歩とほで移動いどうしたが、
もう脚あしは使つかい物ものにならない。

 

電柱でんちゅうに、
白しろい猫ねこと黒くろい猫ねこが居いた。

 

郵便局ゆうびんきょくで、
虚代うつよの呪物じゅぶつを祓はらい返かえした。

 

彼かの別べつの錬金術師れんきんじゅつしは、
今いまは朝あさを求もとめて陰府よみを旅たびしているらしい。

 

日陰ひかげの錬金術師れんきんじゅつしの旅たびの常夜とこよには、
もう二度にどとと朝あさはない。

 

白しろく甘あまい梅うめの香かを匂におい、
破やぶれている物置ものおきの社やしろを写うつした。

 

待まち人びとの居いない神社じんじゃで、
双子ふたごの力石ちからいしに触ふれた。

 

黄色きいろく甘あまい梅うめの花はなは地ちったのかも知しれず、

枝えだも僅わずかに刈かられていた。

 

鳥居とりいへ向むかう木きと木きの間あいだに、
立たち止どまった白しろい猫ねこを見みた。

 

虚代うつよの縁えん無なき女おんなたちと靴底くつぞこの塵ちりを祓はらって、
神社じんじゃを最後あとにした。

 

走行中そうこうちゅうに、
だいぶ前方ぜんぽうで猫ねこが横よこ切ぎった。

 

書店しょてんでは雅各布ヤコブの梯子はしごだけ見みて、
虚代うつよの果実かじつたちを無視むしして店みせを出でた。

 

途中とちゅうストロング酒をと立たち寄よったが、
買かったのは牛乳ぎゅうにゅうとホットケーキまん。

 

二度にどと虚代うつよの果実かじつたちは要いらないとなれば、
ホットミルクが格別かくべつに美味おいしかった。

 

花粉症かふんしょうの小ちいさい花はなが久ひさしぶりに訪おとずれ、
カードの暗証番号あんしょうばんごうが違ちがい戯たわむれに逮捕たいほされた。

 

珍めずらしく前まえの通とおりを車くるまが過すぎて、
見送みおくりが二度にど止とまった。

 

常夜とこよの鳥とりが、
遠とおくで小ちいさく鳴ないている。

 

一面いちめんを焼畑やきはたにして収穫しゅうかく得えたいと娜娜ナナに頼たのむ、
彼女かのじょは任まかせろと約束やくそくした。

 

常夜とこよでは無花果イチジクとオリーブ畑ばたけも、
それと桑原くわばらを彼女かのじょは持もっているらしい。

 

その桑原くわばらが、
娜娜ナナと2人限ふたりきりの逃にげ場ばでありますように。

 

常夜とこよに娜娜ナナが刈かり取とりて、
虚代うつよが塔とうに月つきる隠よる。

© 2023 鈴木(仮名) ( 2023年2月14日公開 )

作品集『The Cookbook』第5話 (全8話)

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