進化論の悪魔

鷹枕可

544文字

狂人飼育の記録_第1号室にて、或は易怒性鬱血質患者への頭蓋穿孔術序論、

死んだ小鳩の心臓が
鉛の炎に祈り倒れる様に
荒れた畑の切株の根が地に晒されて渇く様に
週末の彌撒は暴風雨に熔け
ヘーパイストスの血を流すのだった
或は不気味にも紙片に記されたバロック文字が
丹い芙蓉の花壁へと水葬に附された狂婦達の断末魔を潜る
断頭階段には束の間の恍惚を抱く少年少女が煉獄へ投身されたアルファベットの磔像柱を降りそそがしめていた
肉体の柩は精神の非在の如く馨り
精神病院の夢と薬錠に
今溺れてゆく
人類という病を
智慧を
終極へと転落せしめんが爲に

_

私が叛人体、つまりデストルドに衝迫される爲には、完全なる他者としての自らの死骸が必需なのだ、
それは私の臓腑より黒く、薔薇の骨より精緻な天文時計の様に 狂奔に満ち充ちた、陶人形の空洞でなければならない、
今落ちてゆく塔時計の瓦礫に幾つもの銅が開花した、
それは、私達に恐慌を齎し 唯一つの左手が標する総ての堕落、
全的存在の死を迎え仰ぐ 救済などは有りうべからざる或る精神分裂病罹患者の快癒無き絶無へと威嚇を及ぼす、魘夢の鉄鋼時計であり、蜘蛛の繊維を皺めては返す、
捕縛をされた海溝の底に、そして煙水晶の忌わしい洋裁鋏に、唾棄された迷妄と盲目の、老姉妹が物語る
大広間に石化した希臘の獄舎に閉じ込められた、咽喉青白きアポロンの神罰に晒された 青年像の苦悶でもあったのだ

2020年4月3日公開

© 2020 鷹枕可

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