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和尚だからって一人称をわしとは言わん

春子フロンターレ

山田和尚のひとときの沈黙

タグ: #シュール

詩

354文字

俺和尚

夢破れ

家継いで

早10年過ぎ

毎日

村中法話を話して

駆ける

 

違う

俺決してただの和尚には成り下がらん

 

目の前にある遺影

本日

読経する相手

ずいぶん変わったが

俺はすぐわかった

幼い俺が好きだった相手

給食のおばちゃん

おばちゃんというから当時40ぐらいの歳かというとそうでなく

彼女は

学校のどの先生より若くて

でも俺たちは

給食のおばちゃん

と呼ぶしかほかに呼びようがなかった知らなかった不器用すぎた

だから

いつまでたっても彼女は給食のおばちゃん

だ

 

白黒の給食のおばちゃんは

こぼれるように笑って

その笑顔はあの頃と何も変わらなくて

読経の途中

言葉に詰まる

言葉を失くす

給食のおばちゃんがぼやける

沈黙で騒ぎ出す親族外野は黙っとれ

深呼吸

では君に

祈りとともにこの歌を捧げよう

聞いてください

 

南無妙法蓮華経

© 2010 春子フロンターレ ( 2010年10月6日公開 )

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