なんでもない日

かきすて(第22話)

吉田柚葉

小説

804文字

十分で書きました。とくに言いたいことはないです。

夜行性の夫婦ゆえ、さいきんでは休日になってもちっともたのしくないことが多かった。そろそろあそびに行こうかとおもっても、すでにたいていの店はしまっているのである。なので、はじめから散歩がしたかったのだという顔をして、きんじょをあるきまわった。やがて、きんじょとは言えないところにまで足をのばした。かえりは電車なりバスなりに乗ればよいというかんがえであった。

二時間ほど無作法にあるいて、住宅街に出た。ろくろく街灯もないところである。自販機のひかりだけがたよりというあんばいで、そのひかりのもとに、高校生だか大学生だか、ともかくそのくらいの年ごろの男が三人、つどっていた。夫婦がそこを横ぎろうとしたところ、
「いまのうちだよな」

2021年5月8日公開

作品集『かきすて』第22話 (全40話)

かきすて

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© 2021 吉田柚葉

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