或ル巫女ノ帰郷スルコト

巫女、帰郷ス。(第4話)

吉田柚葉

小説

7,932文字

帰省するために電車に六時間乗らなくてはなりません。それが結構大変です。

十八歳になったばかりのヌイをのせた小舟は一夜のうちに東京へとながれつきまたたくまに三年のときがすぎた。その間にヌイの足がムラにむくことはなかったしムラにあてた手紙を書くこともなかった。ムラを出るとはそういうことなのだとホウノバンニンからあらかじめよく念をおされていたのはもちろんもとよりヌイにムラへの未練などなかった。

ヌイはアルバイトさきこそてんてんとしたがおもに料理を出す店で客の注文をきいた。ムラに道理があるのとおなじで東京には東京の道理がありムラにいたときと同様にときにヌイはおおよそなっとくのいかぬ理由でひとにあたまを下げることをしいられた。ムラの場合と異なるのはそれでお金がもらえることだ。尤もヌイが東京で手にしたお金はムラでとりひきされていたキンとはちがってしらないひとのかおが刷られた紙きれだった。それでもそれがお金だということにヌイは奇異をかんじたが紙きれはげんに家賃としてあつかわれたし食べものも買えた。ノリトをおしえてくれるばしょがみつからないのがいくらかひっかかったがなければないでどうとでもなるのが東京だった。たとえば頭痛がしたときには薬局でしろい粉のかたまりを買ってそれをのみくだせばたちまちおさまった。

ある大雨の日ヌイはアルバイトさきの男の子から愛の告白をうけた。その夜ヌイはその子のすむアパートの一室であらあらしくだかれた。異性との肉体のまじわりはこれがはじめてではなかったが目をみて愛をつたえられたのははじめてだった。東京にきてからというものヌイはひとの目をみたりひとに目をみられたりすることがひどくにがてになっていた。それがためにアルバイトさきで注意をうけることもしばしばだったがだれかに目をのぞかれると目にうつる世界がとたんに均衡をうしないヌイはじぶんと〈いま=ここ〉とのあいだに怫異をみることになるのだった。しかるにこのときヌイはじぶんの手をはなれたこの世界でこの精力にみちた男の子のひとみのなかにすいこまれてみたいという自滅的な欲求にかられた。だからヌイはだかれた。

ムラがいっしゅんにして洪水にのみこまれる夢を見てヌイは男の子のねむるとなりでめざめた。ヌイは男の子をおこさぬように気をつけながらへやをあとにした。そとは小雨だった。やがて大雨になった。

それからしばらくしてヌイは海のむこうの国からしいれてきたさまざまな電化製品をインターネットをつうじて全国に販売する会社に正社員として雇用されることになった。ヌイのしごとはパソコンのまえにすわって一日になんどかかかってくる電話に出て受話器からきこえてくる声にあたまを下げることだった。それはヌイが東京にながれついてからしらないひとのかおが刷られた紙きれをもらうためにつづけてきたこととまったく地つづきだったがそれ以上にムラでのハイチョウノギシキによくにていた。年に三回それはきまってあらしの夜のことだったがヌイはムラのはずれにあるジュウハチギクジンジャのハイデンにひとりとじこめられて耳にちょくせつひびくアメノミナカヌシのお声にうなずきただこうべをたれるのだ。そのことばのいちいちがヌイの知る道理から容易にはずれて風をよせつけぬ大木のごとく超然たるさまで眼奥にたちあらわれるのもまことによくにていた。東京のひとびとがソンミンとことなるのはなかまうちだけであれすがたをみせぬひとからつたえられたことばに反駁をしめすことだった。そういうことはソンミンたちにはおこりえなかった。おもえばソンミンたちのあいだでなんらかの言いあらそいがおこったことさえなかった。アメノミナカヌシのお声のもとでみな平等でありその尊さをしらぬヌイのごときこどもたちはおとなからの打擲で以てそのくちをふうじられた。アメノミナカヌシのお声をきくことができる三人の女のうちのひとりであったヌイはしかしさいごまでそのおことばが真であるとはおもえなかった。ムラでそだつなかでヌイはおとなたちから折檻をうけぬていどにはおのれをいつわる演技をみにつけていったがそのこころのにごりはオノデラサンやホウノバンニンにみぬかれていた。だからヌイはウラギクの男衆のようになんらかの使命をあたえられてムラを出ることをゆるされたのではなくはっきりムラからおいだされたのだった。

会社の同僚には海のむこうの国から東京にやってきたひともいた。すきとおるように白い肌をしたあおいひとみの女性は東京でうまれそだったひとがはなす日本語にそっくりな日本語をはなしたがヌイといっしょにおひるをたべているときなどにまだまだカタコトではずかしいともらすことがあった。ヌイは女性になぐさめをあたえようとじぶんの日本語の発音につよいなまりがあることをうちあけた。女性はふしぎそうにくびをかしげた。そこでヌイは東京にきてすぐのころにアルバイトさきの店長からアクセント辞典をわたされたことをはなした。一日のアルバイトがおわってぼろアパートにもどるとヌイはなによりさきにアクセント辞典をひらいた。文字はまだしもアクセント記号のよみかたがわからず(東京でつかわれている漢字のかたちはヌイがムラでならったものとすこしことなったがよめなくはなかった)ヌイはとほうにくれるおもいがしたがなにを言っているのかわからないことにはくびにするよりしかないとおどされていたのでこれがあらたなノリトなのだいのちよりたいせつなものなのだとなかばいのるここちで本とむきあった。ノリトはことばではなく音でありくちにだしてナンボのものであったがそれはどうじにアメノミナカヌシのお声に耳をすませるということでもあった。ヌイはアクセント辞典の頁をめくるたび目をとじて本のうえで手をひろげた。そのまま耳に意識を集中しているとやがてこの土地に応じた適切な音とことばがツナガル瞬間がくる。そうしたことを一週間つづけるとヌイは店長からなにも言われなくなった。もちろんそんなはなしをしても女性はけげんなかおをするだけだろうしそもそもムラには他言無用のしきたりがあったのでヌイはノリトうんぬんについては言及せずにアクセント辞典は役にたったとそれだけをくりかえし女性に言ってきかせた。

やがてヌイは社内で頭角をあらわした。ヌイが電話にでると受話器のむこうからひびくオキャクサマからのありがたいお声はあべこべにヌイの声に浄化されるごとくその暴力の波動をさげてゆきしまいにはありがとうと言ってしずかにきえるのだった。「凪の声だね」と上司の男はヌイの声を評して言った。男は熊をおもわせる風貌をしていたがかつては声優だった。十年つづけてある日じぶんの声に音楽がないとさとり見きりをつけた。さまざまな人の声を聞きたいという特殊な理由から五年前にいまの会社に入りこのほど男はかつてかれが畏怖したどんな名優からもかんじることのなかった特殊な音楽をヌイの声からたしかにかんじとったのであった。

試用期間がおわった日のしごとおわりにヌイは男から食事にさそわれた。個室のあるまちはずれの中華料理店だった。テーブルのうえにならんだ無数の皿のなかからヌイがまず箸をのばした甘酢あんのからんだ豚肉はすこぶるやわらかくてかのじょの舌のうえですぐにとけた。ヌイはやさいに火をとおすことをバチアタリだと感じていたために平生より中華料理をこのまなかったがこれならいくらでもたべられるとおもった。ヌイが食にこころをうばわれているのを横目に男はこれまでのじぶんの人生を滔々とかたった。そうしてじぶんが声のひとではないことをいまだにうけいれられずにいるとうちあけた。ヌイは男のおおよそのはなしのすじを追うことはできたが挫折のくるしみや何者かになることがかなわなかった絶望は理解の枠外にあった。ながらくヌイはソンミンでありソンミンとはアメノミナカヌシのおことばをうけとめる者でありそれ以上でもそれ以下でもなかった。「きみはぼくがのどから手が出るほどほしかった音楽をもっている。声のひとだ」男はそう言って手もとのグラスに手をのばした。なかにはいっているのは白酒というたいへんに度数のたかいお酒だった。ヌイがなにごとか口をはさむまえに男はからだの支配権をアルコールに譲渡してろれつがまわらなくなりやがてねむりについた。「会計はさきにすませている」とねごとを言ったのでヌイは男のうでを肩にかけて店のそとに出ようとしたが店員によびとめられた。しはらいがすんでいないとのことだった。男を気絶せしめたお酒は追加でたのんだものだったのでその分をしはらわなくてはならないらしい。ヌイはしぶしぶじぶんのさいふをひらいて何枚かのお札を店員に手わたした。それから糸がきれたあやつり人形と化した男をタクシーのなかにかつぎこんだ。男がめざめなかったので男のさいふから免許証をとりだしてそこに記載されている住所を運転手につたえた。きりの濃い夜だった。一時間ほどはしってタクシーは男のすむマンションのまえでとまった。しはらいをどうしたものかと思案しているとヌイの顔のまえをぬるりと男の手がのびた。「カードで」男がそう言った。そしてヌイは男の住むマンションで男にだかれた。くらやみに目がなれても男はけっして目をあわせなかった。ただ男はしきりにヌイの鳴く声を聞きたがった。ヌイの声はときにひとをしずまらせてときにひとをつよく昂らせるのだった。

ヌイはそれからもときどき男のマンションにとまった。男は男にはめずらしくヌイのはなしをききたがったのでヌイは東京にきてからのちのことをはなした。男はヌイの話をなんでもかのじょの声の特殊性にむすびつけた。それがヌイにはおかしかった。ヌイは男に恋をしていた。やがて男はヌイにモノガタリをもとめるようになった。つまりムラでくらしていたころの時代へとさかのぼることをヌイに要求したわけだが他言無用のムラのしきたりのためにヌイはそれらしい過去をでっちあげて男にはなすよりほかに法がなかった。ヌイはモノガタリの主人公を地方都市の母子家庭にうまれた影のある女の子とした。それは男からのふかいりをふせぐための設定であったが男は却って母子家庭ということばにつよい反応をしめした。「おれも母子家庭だったんだよ。母はもう亡くなってしまったけれどそれでも大学まで出してもらった……きみのお母さんもさぞ良い声だったのだろう」いかにも慕情の念がこもった声でそう言われてヌイはじぶんの母親についての記憶をまさぐった。産みの母親にはさして愛着がなくおもいではおろか顔すらうすぼんやりともやがかってた。ムラにはハハという役割をもつ女が五人いてムラのすべての子どもたちのめんどうをみていたがかのじょたちにたいしてもヌイがなにかとくべつな感情をもつことはなかった。そこでヌイは男がかたる母子家庭のおもいでによりかかりかれの似姿としての少女ヌイを創造することで過去のじぶんをこしらえることにした。「わたしもそうだった」という魔法のひとことが男のおもいでとヌイのモノガタリのあわいをとりのぞいた。少女ヌイはムラではそだってはおらずかと言ってじぶんの声がつむぐモノガタリのなかにもなく男との会話のなかで刹那的に像をのぞかせてその表情はひとつにさだまらなかった。〈いま=ここ〉にいるじぶんだけがじぶんなのだとヌイはなっとくしたがそれは期せずしてかつてアメノミナカヌシがおっしゃった世界の原理とまったく一致するものだった。

ある日とつぜんにヌイのつとめる会社が倒産した。これを機に声優をめざしてはどうかと男から提案をうけた。ヌイはじぶんの声はもちろん演技をすることでお金をもらうことにもきょうみがなかったのでむげにそれをことわった。男は「それならおれと結婚してくれないか」とつづけた。「会社がつぶれてお金もないのに結婚なんてばかげてるわ」とヌイがはねかえすと男はそれもそうだとうなずいて「だったら貯金が一〇〇〇万円たまったらおれと結婚してくれ」と言った。ヌイはうなずいた。ヌイは男とくらす日を夢見た。

ヌイはコールセンターのアルバイトをはじめた。おもに高齢者や主婦を対象にスマートフォンの基本的な操作方法をおしえるというものであたらしくおぼえることはそれほどおおくはなかった。三ヶ月ほどすると在宅勤務をゆるされたためヌイは自宅のアパートにこもりだした。「声におぼえがあるな」ある日かかってきた電話でそんなことを言われた。セクハラまがいの電話もすくなくなかったからまたそのたぐいかと早合点しかけたがおもえばヌイもあいての声におぼえがあった。「もしかしてヌイか」言いあてられると同時にヌイも声の主におもいあたった。ホウノバンニンだ。ソンミンたちもスマートフォンを手にするようになったのかはたまたホウノバンニンもヌイと同様にムラを追放されたのか……ヌイはすこしだけ気になったが客との個人的なやりとりは禁じられていたしいまのヌイにとってムラは遠い日の夢にひとしく夢や夢のなかの住人の現在をしったところでなんらの意味も見出せないのでいつもどおり声の主にスマートフォンの操作方法をおしえて電話をきった。その後ホウノバンニンから電話がくることはなくまたたくまに三年のときがすぎた。

男から電話がきた。約束どおり貯金がたまったから結婚してくれとのことだった。どんな手段でお金をかせいでいるのかと問うと「けっきょくは腕だ」と言われた。「声でなはなくおれは腕だ」と。ヌイは快諾した。男とヌイはすこしおおきなマンションにひっこしていっしょにくらしはじめた。男はヌイと籍をいれるまえにヌイの母親にあいさつにいきたいと言った。ヌイは母親との不仲を少女ヌイの設定にくわえてそれを理由に男の提案をことわったが男はなかなかあきらめなかった。「もちろんぼくはきみの家庭のことをくわしくはしらないけれど娘の結婚でよろこばない母親なんていないとおもうよ」「あなたにはわからないのよ。いまあなたを実家につれていったらきっとあなたまでひどいことを言われるわ」ヌイはことばをつむぎながら頭のなかで凶悪な母親を創造した。それはぜったいに娘をみとめぬ母親でありぜったいに娘の帰りをゆるさない母親だった。このモノガタリには暴力がひつようだった。少女ヌイが送った虐待の日々の記憶はソンミンからうけた打擲で代替できた。「良い声で鳴くじゃないか」ふいにそんなことばがうかんだ。これはヌイがじっさいに言われたことばではなかった。否。じっさいに言われたことばかもしれなかったがそうだとしたところで夢のなかでおきたできごとである。ヌイはこの台詞を少女ヌイのモノガタリに登場するヌイの母親の台詞へと翻訳をこころみた。「良い声で鳴くじゃない」「もっと鳴きなさい」「もっと泣きなさい」「泣いてもゆるさないわよ」……。「ごめんわるかったよ。むり強いするつもりはないんだ」という男の謝罪をうけてヌイはじぶんがいまなみだをながしていることに気づいた。そうしてじぶんがいま少女ヌイとツナガッテたちきることができずにいる状態にあることを冷静にながめた。それはともすればありえたかもしれないムラに生まれることのなかったじぶんの記憶でありそうであるにもかかわらずげんざいのじぶんへと違和感なく接続する唯一の過去でもあった。ムラの記憶が希薄になってありえたかもしれない過去が現実感を増していくことにヌイはかつてあじわったことのない世界のゆがみを感じた。「いいわよ。わたしの実家にいきましょう」ヌイはようやくそう言った。

それから二週間後の土曜日の夕刻に運転席でハンドルをにぎりながら男は「ほんとうに良いんだね」と助手席のヌイになんどめかのかくにんをした。すでに八時間ちかくも車をはしらせていた。男はカッターシャツのボタンをいちばんうえまでとめてすこしくるしそうにしている。「中華料理につれていってくれた夜あなたはタクシーのなかでたぬき寝いりをきめこんでいたわね」ヌイはそう言って男をちゃかすことで男のことばをかわした。「ちゃんとタクシー代ははらったじゃないか」と男は苦笑して言った。「でもあなたがのんだお酒はわたしがお金をだしたのよ」「そうだったかな……」

ムラには住所がなかった。そんなことがあるはずがないと男にうたがわれたし東京の道理にかたまでつかりきったヌイからしてもいまではしんじがたいことにおもわれたがじっさいにムラには住所がなくヌイの記憶だけが手がかりであった。あの夜……一箇の灯篭によるあかりもなしになんにんかのムラの男たちとともにギシギシときしむ小舟におしこまれて東京へとながされたヌイにまさか車でのムラへの帰路をさししめすことなんぞできるはずもなかったが男が運転するとなりで直感にまかせて右にまがれだの左にいけだの指示を出すヌイの眼前には宿命という名のムラの地図があざやかにひろがっていた。ふたりをのせた車は速度をあげてすいこまれるようにあのころのヌイへと遡行していた。このままどこまでもさかのぼっていってムラにつくことなく闇にきえてしまいたいとおもった。雨粒がおちだした。大雨になってムラへとつながるみちに水がはじけた。「これ以上すすむのは危険だ」と男がつぶやいた。車はさらにすこし走ってサービスエリアにはいった。ヌイと男はともにうどんをすすった。ヌイのうどんには油あげがのっていて男の方にはえび天がふたつのっていた。男はえび天をひとつヌイにわけあたえた。食べおわってもまだそとはひどい雨だった。ヌイと男は車のなかで無言のときをすごした。「今夜はもうむりかもしれないな」と男がつぶやいた。「ムラにかえろうとして怒りをかったのかもしれないわ」とヌイは言った。「怒りってなんのことだ」ヌイはまだ男にムラのこともアメノミナカヌシのこともはなしていなかった。他言無用のしきたりはソンミンたちの秘密主義によるとりきめではなくアメノミナカヌシがおさだめになられたことでありそれゆえヌイもまたその禁を明確にやぶることができずにいた。男に言えばムラが滅亡したりヌイが死んだり男に危害がくわわったりするかもしれなかったそうだそんなに危険なことなのだそれをすっかりわすれてしまうところだったムラへの行き方なんてもっともあからさまなかたちでの他言無用の禁への叛逆ではないか。ヌイは「もうあきらめましょう。あいさつはまたこんどでいいわ」と言った。男はヌイに気圧されるかっこうで「そうだね。まあとにかくきょうはどこかちかくでホテルでもみつけて雨をしのごう」と言ってスマートフォンをとり出した。そしてすこし行ったところにホテルがあるのをみつけた。「ふるそうなホテルだが背に腹はかえられない」そう言って男は車をはしらせた。大雨のために牛歩でしかすすめなかった。

ふたりがとまった部屋にはちいさな古いテレビが一台あった。男がシャワーをあびているあいだヌイはテレビをつけてかびくさいベッドのうえでそれをながめた。うつくしい女が歌謡曲をうたっていた。その女にみおぼえがあった。ヌイがムラを追放される五年まえにムラを出た女だった。かのじょもまたヌイと同様にアメノミナカヌシのお声を聞くことができる女だった。女のうたうすがたをみるともなく見ながらヌイはあしたまんがいち雨がやむことがあってもきっとじぶんたちがムラにたどりつくことはないだろうとおもった。雨風がはげしくまどをたたいていた。男が浴室から出てきた。ヌイは男にほほえんだ。須臾にしてきえるふたりの一夜がまだかろうじてそこにはあった。

 

 

2023年5月23日公開

作品集『巫女、帰郷ス。』第4話 (全29話)

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© 2023 吉田柚葉

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